米アップル元CEOのスカリー氏に聞く 「来年は特別なiPhoneが出てくるだろう」

 
インタビューに応えるジョン・スカリー氏=28日、東京都港区

 米アップルコンピューターの元CEO(最高経営責任者)であるジョン・スカリー氏(77)にインタビューした。

 --アップルは「iPhone(アイフォーン)」の販売が世界的に低調だが、課題は何か

 「スティーブ・ジョブズが亡くなった後も(CEOの)ティム・クックが良い仕事をしている。アップルはテクノロジーで一番乗りしたい企業ではない。時間がかかっても最高のものを作る企業だ。iPhoneが10周年を迎える2017年は特別なものが出てくるだろう」

 --ペプシコーラを飲料最大手に育てたマーケティングの手腕にほれたジョブズ氏にスカウトされて、アップルコンピューター(現アップル)のCEOになった。今のアップルのマーケティングをどうみるか

 「ジョブズは『クリエーティブな人のために“思考のための自転車”を作りたい。マーケティングを知らないので来てほしい』といった。しかし、ジョブズはその後世界最高のマーケティングを行い弟子が師を超えた。今のアップルもジョブズの延長上にある」

 --iPhoneには多くの日本企業が部品を供給しているが、日本企業がイノベーションを起こすには何が必要か

 「日本の企業には有能な人材が多いが、ビジネスの面では単一文化で多様性が足りない。起業家精神を発揮しリスクを取れるか、世界のイノベーションとつながる意志があるかが課題だ。米シリコンバレーは世界中から有能な人材が集まる優位性がある」

 --アップルを辞めた後、多くの誘いがあったと思うが大企業には再就職しなかった

 「もう一度、大企業のCEOをやりたいとは思わなかった。現在は投資コンサルティングの『スカリーアドバイザーズ』を運営し、ITや(金融とITを融合した)フィンテックなどの分野で有望なベンチャーに投資などを行っている」

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【プロフィル】ジョン・スカリー

 スティーブ・ジョブズ氏に誘われてアップルコンピューターの最高経営責任者(CEO)に就任したが、経営上の確執からジョブズ氏を追放。1993年に自身もアップルを追われた。現在は夫人とベンチャー投資・コンサルティング会社を運営。