都内ホテル、訪日ビジネス客サービス強化 付加価値向上、外資に対抗
都内の主要ホテルが、訪日ビジネス客向けのサービス強化を競っている。欧米などでみられる出張先での休暇を認める「ブリージャー(出張休暇)」利用を意識したサービスや、高級感のあるラウンジなど、付加価値を高めて外資系の高級ホテルに対抗する狙いがある。
ザ・プリンスパークタワー東京は30日、1日から営業を始める富裕ビジネス客を狙った客室「プレミアムクラブフロア」をメディアに公開した。全63室のうち36室を占めるプレミアムキングルーム(1ベッドタイプ)は広さ38平方メートルで、バスルームとリビングの間にある壁を取り払い、壁面の一部を可動式に変更するなどして、ゆったりとした居住空間を確保。
プレミアムクラブフロアの宿泊者が無料利用できるラウンジでは、従来は3つの時間帯に提供していた軽食などの料理を、4つの時間帯に細分化し、時間帯ごとにメニューを変えて提供する。同ホテルは「ブリージャー利用を意識したデザインと機能を取り入れた」としている。
京王プラザホテルは12月15日から、高層階客室を全面改装し、クラブフロア「プレミアグラン」を設ける。宿泊者専用のクラブラウンジには専任コンシェルジュが常駐する。ラウンジでは、ビジネスミーティングの利用なども想定している。
ホテル椿山荘東京は9月中旬から、訪日ビジネス客など富裕層をターゲットにしたスイートルーム宿泊客専用ラウンジ「パゴダラウンジ」の営業を始めた。帝国ホテルは9月、ビジネス客向けのフロアを改装し、プリンターのあるパソコン用ブースや会議室などをつくった。チェックインの前やチェックアウトの後にホテルを活用したい訪日ビジネス客の利便性を高める。
2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、都内では外資系ホテルの開発計画が相次いでいる。国内の主要ホテルは、訪日ビジネス客向けのサービスの付加価値を高め、収益力を向上させたい考えだ。
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