中国銀行=地方創生への取り組み(4)
フロントランナー 地域金融■ブドウ圃場拡大交付金申請に協力
蒜山(ひるぜん)高原(岡山県真庭市)の新名物を目指したひるぜんワイン(植木啓司社長)だったが、ワイナリーの経営は苦労の連続だった。多額の設備投資がかかる一方で、商品の製造から販売までのサイクルが長く、運転資金の調達が難航。原料の安定調達の難しさや、ヤマブドウ特有の酸味を和らげるための工夫が必要などのネックもあった。
ここで植木社長は思い切った行動に出る。こうした問題点を根本から解決するために、ヤマブドウの生態について知識を深めようと44歳で岡山大学に入学。社長業を続ける傍ら、果樹研究の第一人者である岡本五郎教授に師事し、研究活動を行った。
「大学では、栽培技術に役立つさまざまな知見を習得することができた。ヤマブドウの受粉には風が重要な要素だと考えられていたが、実は虫が花粉を運んでいた影響が大きかったことが分かった。そこで防虫剤を使わない育成方法に切り替えたところ、実のつき方が明らかに良くなった」(植木氏)
ヤマブドウにはさまざまな健康上の効能があることも分かった。普通のブドウの6、7倍のポリフェノールやアントシアニンが含まれていること、抗炎症作用や発がん抑制作用などがあることなどが明らかになった。
研究活動と並行して、醸造技術の向上にも奮闘。数々のワインコンクールで受賞歴を持つ醸造家の川邉久之氏のもとにワイナリーの工場長を派遣し、最先端の醸造技術を学ばせるなどの取り組みも行った。こうした活動が奏功し、2003年頃から数々のワイン審査会で受賞。15年にはアジア最大級のワイン審査会のジャパン・ワイン・チャレンジで金賞を受賞した。
技術の向上に伴い、植木社長は新たなビジョンを描く。ヤマブドウの生産規模を拡大し、地元産ヤマブドウ100%のワインを安定生産できるようにすること。生産技術が向上してからも、年によっては原料が不足し、東北産のヤマブドウを仕入れてカバーしなければならないことも少なくなかったからだ。
そんな中、植木社長は真庭市が遊休地の活用を検討しているという話を聞く。この土地を買い取り地元産ヤマブドウの圃場(ほじょう)にできないかと考えた。資金調達には「地域経済循環創造事業交付金」の活用を検討。申請には金融機関の承認が必要であったことから、同社と取引のあった中国銀行湯原支店が相談に乗った。
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(編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp
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