SOMPO、米社6400億円買収 海外進出に活路、各社M&A活発化

 

 SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパン日本興亜は5日、農家の収入を補償する農業保険で全米5位のシェアを持つ損害保険会社のエンデュランス・スペシャルティ・ホールディングスを約6400億円で買収すると発表した。来年1~3月に全株式を取得して、完全子会社化する。人口減で国内市場の縮小が見込まれるなか、生損保各社が活路を求める海外でのM&A(企業の合併・買収)が加速しそうだ。

 「ダイヤモンドを手に入れた。海外事業を大きく加速させたい」。SOMPOの桜田謙悟社長は、会見で買収の意義をこう強調した。

 エンデュランスは主に米国で事業を展開し、農業保険など専門性の高い保険商品に強く、2015年の保険料収入は33億ドル(約3360億円)。

 損保各社は人口減の影響を受け、国内市場で主力の自動車保険や火災保険の収益が厳しくなっている。ここ数年は風水害など自然災害の発生も頻発し、その被害に伴う保険金の支払いも経営を圧迫している。

 昨年、東京海上ホールディングスが米HCCインシュアランス・ホールディングスを約9400億円で、三井住友海上火災保険が英アムリンを約6420億円で、それぞれ買収することを表明。ライバルは海外進出で先行している。SOMPOは今回の買収をきっかけに、エンデュランスのノウハウを生かした新たな保険商品の開発や、人材の交流を進め、海外展開で巻き返しを図る。

 年明け以降、外国為替市場の円相場は円高・ドル安傾向で進んでおり、国内保険各社による海外企業のM&Aを後押ししている。

 日銀の金融政策で運用の柱となっている日本国債の利回りが低い状態が続いていることも、収益に響いている。M&Aなどで海外事業を強化して、安定した収益構造を確立することは各社の急務となっている。

 桜田社長も「さらなるM&Aは否定しない」と述べた。欧米や経済成長が期待できるアジアを中心とした新興国市場などで、今後も日本の保険大手による大型買収が続きそうだ。(永田岳彦)

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 ■国内保険大手による主な海外企業の買収事例

 (発表時期/会社名/買収先/買収額)

 2013年12月/損保ジャパン(当時)/英キャノピアス/1050億円

 2014年 6月/第一生命(当時)/米プロテクティブ/5750億円

 2015年 6月/東京海上ホールディングス/米HCCインシュアランス・ホールディングス/9400億円

 2015年 7月/明治安田生命/米スタンコープ・ファイナンシャル・グループ/6250億円

 2015年 8月/住友生命/米シメトラ・ファイナンシャル/4670億円

 2015年 9月/三井住友海上火災/英アムリン/6420億円

 2015年10月/日本生命/豪ナショナル・オーストラリア銀傘下の生命保険事業/2050億円

 2016年10月/損害保険ジャパン日本興亜/エンデュランス・スペシャルティ・ホールディングス(英領バミューダ)/6400億円

 ※買収額は発表時の為替レートで換算