ドコモ、事業撤退めぐり連邦地裁に提訴へ タタ米資産を差し押さえ
NTTドコモは6日、インドの財閥大手タタ・グループが米国の現地法人から受け取る配当収入など、米国資産の差し押さえを求める訴訟を米連邦地裁に起こす方針を固めた。タタとはインドからの事業撤退をめぐって現地などの裁判所で争っている。
6月に国際仲裁裁判所からタタに、損害賠償約11億7200万ドル(約1210億円)を支払うよう命じる裁定が出た後、ドコモは英国とインドでタタの資産差し押さえを申し立てる訴訟を提起している。英国では今年度内にもドコモの主張が認められる見通しだ。
しかし、インドでは訴訟が長期化するとみられるため、ドコモはインド以外の国で損賠相当額を確保するため、英国に続いて米国での提訴を決めた。今後、タタの資産調査などを進めた上で、英国以外の欧州各国やシンガポールなどでも同様の法的手続きを検討する。
ドコモは2009年からタタ・グループの携帯電話会社に約2600億円を出資し、株式の約26%を取得した。しかし、業績が想定の目標に届かず、14年4月に撤退を決め、株式の買い取りをタタ側に要求する権利を行使した。これにタタ側は応じず、15年1月にドコモは国際仲裁裁判所に申し立てていた。
インドでの審理は今月5日に開かれ、9月にタタ側が申し立てた「インドの根本法規に違反している」などとする差し押さえに対する異議に、ドコモが反論した。
来年中に審理の進め方の説明が行われる見通しだが、「来年中に結審するかは難しい情勢」(ドコモ幹部)という。
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