ファストリ、業績伸び悩み鮮明 デジタル対応が打開の鍵「会社を変えていく」

 

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングが13日発表した2016年8月期の連結決算は、最終利益が前期比56.3%減の480億円だった。最高益を更新した前期から一転し、2年ぶりの減益となった。

 これまで右肩上がりで成長を続けてきたファーストリテイリングの業績の伸び悩みが鮮明となっている。2020年に目標としていた売上高5兆円も3兆円に引き下げると発表。足元では、国内市場が消費者の節約志向で衣料品販売が低迷し、ライバルの追い上げも激しくなっている。さらにネット通販の利用が拡大しており、取り巻く環境が以前にも増して厳しくなっている。

 「成長のためには会社を変えていくしかない」。13日の決算説明会で、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、危機感を強めた表情でこう語った。

 背景にあるのは、消費者の店舗からネットへの買い物方法の変化だ。米アマゾン・コムの15年の日本の売上高は1兆円に達した。衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイも16年4~6月期の売上高が前年同期比4割増と好調だ。

 こうした消費者の変化への危機感からなのか、「顧客に直接情報を発信する情報製造小売業を目指す」(柳井会長)。膨大な情報を分析し、顧客のニーズに合った商品開発を行う体制を構築。素材の調達・企画・生産・販売までのサプライチェーンも一新し、顧客に新たな買い物の在り方を提案する考えだ。

 ユニクロの電子商取引の売上比率は5.3%程度だが、中期的に30%に引き上げる。中国や東南アジアなど海外市場の売上高を拡大し、さらなる成長を目指す。また、ユニクロに次ぐ第二の柱に低価格衣料品店「GU(ジーユー)」を据え、今後10年で売上高1兆円を目指す。

 柳井会長は「世界1位を目指しており、売上高5兆円は近い将来に達成したい」と語る。さらなる成長には、これから本格化させるデジタル化の対応の成否が鍵となりそうだ。(黄金崎元)