“幻の魚”「スマ」デビュー…クロマグロ代替魚で注目 梅田の阪神百貨店

 
きめ細やかな脂が乗っており、臭みもなく、筋がほとんどないため、非常に食べやすいのが特徴の「伊予の媛貴海」

 愛媛県と愛媛大が共同で開発した“幻の魚”と呼ばれる「スマ」の完全養殖魚「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」が、大阪市北区の阪神百貨店梅田本店で開催中の「愛媛のうまいもんまつり」で“正式デビュー”した。完全養殖スマは国際的な漁獲規制が強化されているクロマグロの代替魚として注目されており、同店関係者は「期待の星」として、今後は定期販売にも乗り出す方針だ。(嶋田知加子)

 スマはサバ科の高級魚でオボソやヤイトガツオなどの別名を持つ。本州中部以南の太平洋などに広く生息し、トロのようなきめ細やかな脂が乗り、臭みもなく、筋っぽさがほとんどないため、非常に食べやすいのが特徴だ。しかし、捕獲が非常に難しく“幻の魚”と呼ばれてきた。

 水産養殖の生産額が全国1位を誇る愛媛県は、平成25年から愛媛大と共同でスマの養殖技術開発を進めてきた。今春には完全養殖に成功。重さ2・5キロ以上、脂質含有率25%以上、一本釣りで釣り上げるなどの厳格なブランド規格を設け、「希少性が極めて高い愛媛の貴重な海の恵み」(愛媛県)であることから「伊予の媛貴海」と名付けられた。

 今年1月から試験販売を行ってきた阪神百貨店梅田本店では、今月12日に伊予の媛貴海を“正式デビュー”させ、18日まで販売している。1日数匹程度しか入荷できず、刺し身、すしをそれぞれパックにした限定販売(1パック1080円)だが、来店客の反応も上々だという。

 同店の生鮮・惣菜商品部バイヤー、西本和也さん(41)は「味と価格のバランスが優れていて、その部分に敏感な大阪の人に、自信をもってお勧めできます。何より味に間違いがありません」と太鼓判を押す。イベント終了後の20日からは毎週木~土曜日の定期販売にも乗り出す予定だ。

 今月29、30の両日には、堺市北区の「天下の台所 大起水産 海鮮レストラン堺店」が、伊予の媛貴海の刺し身と握りずし(各680円)を販売し、関西のレストランでは初お目見えすることにもなっている。

 完全養殖スマは、和歌山県が愛媛県より数日だけ早く大阪市内の百貨店に出荷したが、愛媛県側も今回の先行販売に続き、今年12月ごろには本格的な出荷が始まる。愛媛県大阪事務所の三谷誠一所長(53)は「大阪は食の都、天下の台所といわれるだけに、舌が肥えた人が多い。大阪の人はおいしいものしか買わないし、おいしいものならお金を払ってくれる。まずは『伊予の媛貴海』の良さを知っていただければ」と自信を見せている。