生保大手、日銀の配慮にそっぽ 国債投資抑制続く 目線は外国債
生命保険大手4社の平成28年度下期の運用計画が28日、出そろった。日銀は9月の金融政策決定会合で、超長期国債での運用難に苦しむ生保などに配慮し、新しい政策の枠組みの導入を決めたが、大手各社の目線は外国債券に向いたまま。日銀の大規模な金融緩和に伴う副作用で金融機関が運用に苦慮する状況がなお続いていることが浮き彫りとなった。(米沢文)
「超長期債は利回りが1%ぐらいまで戻らないと、保険商品の予定利率を確保できない」(日本生命保険の佐藤和夫財務企画部長)。「25年度下期から、日本国債の積み増しは行っていない」(第一生命保険の渡辺康幸運用企画部次長)
大手生保各社からは依然として日本国債での運用難が続いていることを指摘する声が相次いだ。
日銀は新たな政策の枠組みで、長期金利に0%の誘導目標を設定。これを受け、7月上旬に0・1%を切る水準だった30年物国債の利回りは現在、0・5%台まで上昇してきた。それでも長期のリスクを引き受ける生保各社にとっては、日本国債は投資対象とは映らないようだ。
各社が積極的に資金を振り向けているのは米国債を中心とする外国債券だ。
また、より高い利回りを求めて、投資対象も米国社債などに広がり始めている。明治安田生命保険は米国の住宅ローン債券担保証券などに投資する方針だ。
ただ、外債投資の多様化には、より高度な運用のノウハウが求められる。住友生命保険は今月、運用部門を再編。日本生命は海外の先進投資事例などの研究を始めた。
一方、高度な運用ノウハウを持っていない中堅生保にとって、外債投資の多様化へのハードルは高い。
ある中堅生保関係者は「超長期金利が上向いてきたタイミングを捉えて、国債を買い入れる」との方針を明かしており、一部に「国債回帰」の動きが出始めた。日本国債をめぐり、大手と中堅の間で、運用姿勢が分かれてきた形だ。
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