三陽、新たに2ブランド廃止 売り場削減も250カ所に上積み

 

 アパレル大手の三陽商会は28日、来年8月までに2ブランドを追加で廃止する、と発表した。220カ所の削減を予定していた売り場も、250カ所に上積みする。同社はアパレル不況や、昨年6月末に主力ブランド「バーバリー」のライセンス契約が切れたことで、業績が大幅に悪化している。事業の選択と集中やコスト削減を進め、早期の経営立て直しを図る。

 同社は来年2月までに、「ビアンカ・エポカ」など8ブランドを廃止すると発表済み。今回の追加で、廃止するブランドの数は10に増える。ブランド名は後日明らかにする。

 昨年末時点で約1480カ所あった売り場は、今年中に80カ所、来年前半に140カ所を削減する予定だったが、来年の分を170カ所に増やした。今後は残った売り場の人員削減や遊休資産の売却にも取り組み、合計で45億円のコスト削減効果を見込む。

 このほか7月から半年間の予定で、役員報酬を最大15%減額していることも明らかにした。

 同社は7月末に中期経営計画を撤回し、10月末に新計画を発表する予定だった。しかし、「精緻な計画策定にはなお時間がかかる」(杉浦昌彦社長)ため、来年2月に延期した。

 この日発表した2016年1~9月期連結決算は、最終損益が81億円の赤字(前年同期は71億円の黒字)に転落。売上高も35.0%減の478億円に落ち込んだ。バーバリーの後継として立ち上げた新ブランド「マッキントッシュロンドン」も、計画を下回った。

 一方、10月11日から21日まで全社員の約2割となる250人を募集していた希望退職に、249人が応募したことも明らかにした。