自動運転、AIの判断の「根拠」を記録 課題の一つ“事故原因究明”に道

 

 ドライバーの代わりに人工知能(AI)が操縦する「完全自動運転車」の実用化に向けて、AIがどのような判断で車を操作したのかを詳細に記録するシステムを産業技術総合研究所(産総研)などが開発していることが30日、分かった。2020年度にも完成させ、国内外の自動車メーカーに提供する方針。自動運転車が事故を起こした際の捜査や原因究明、再発防止に役立てる狙いだ。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、産総研人工知能研究センターが昨秋から九州工業大学と共同で開発を進めている。

 このシステムは、自動運転車のAIが実行する一つ一つの操作について、判断の「根拠」を記録する。例えば、車を発進させた際に「青信号で、前方に歩行者がいなかった」というデータを、日時、場所、車載カメラの映像などとともに記録。無線通信でつながるIoT(モノのインターネット)を経由してサーバーに送信・保存する仕組みだ。

 自動運転車の開発競争は世界中で加速しており、経済産業省は今年9月、完全自動運転車の販売開始目標を25年から数年程度、前倒しする方針を表明した。また安倍晋三首相は20年の東京五輪・パラリンピック開催時に東京で自動運転車を走らせる目標を掲げており、専用レーンで自動運転バスを運行することなどが検討されている。

 米国でもフォード・モーターが21年までに完全自動運転車を供給すると発表した。

 ただ、完全自動運転車はドライバー不在で走るケースも想定され、事故の際に操作の経緯や事故原因を把握できない恐れが指摘されている。産総研はこうした課題を克服するシステムを提供し、自動車メーカーの開発を後押しする考えだ。