ヤフー、週休3日制試験導入 1、2年内にも「拘束時間ではなく、仕事の成果に賃金」
インタビューに答えるヤフーの本間浩輔上級執行役員=31日、東京・紀尾井町のヤフー本社
週休3日制を検討しているヤフーは31日、1、2年内に試験的に導入する方針を明らかにした。実際に生産性の向上などにつながるかを検証し、2020年頃までに本格実施の是非や制度設計を決める。同社は新卒一括採用の廃止や、通勤せずに働く「どこでもオフィス」の試験導入拡大など、矢継ぎ早に働き方改革を行っている。背景には、社員の実情に応じて働きやすい環境を整えることが、IT企業の勝ち残りに必要な技術革新につながるという考えがある。
人事担当の本間浩輔上級執行役員が、フジサンケイビジネスアイの取材に答えた。週休3日制の導入には評価や給与の扱いが問題になるが、「社員が選択できるようにしたい」と話した。
例えば、給与減を前提に週休3日を確保するという働き方や、給与の維持に向けて仕事の効率を上げる働き方、介護や看護による一時的な週休3日など、複数の選択肢をつくる考えだ。休む日は、「土日ともう1日」というパターンのほか、3日間の休みを選べるようにすることも検討している。職種によっても、適用される制度の内容は変わりそうだ。
新制度の目的について本間氏は「社員の幸せを求めることが、優秀な人材の確保にもつながる。生産性を向上させ、拘束時間ではなく、仕事の成果にお金を払うようにしたい」と話す。
同社はパソコンやテレビ電話などで仕事するどこでもオフィスを月2日から5日に増やしたほか、10月から新卒の一括採用を廃止。30歳以下であれば通年で応募できるようにした。
ヤフーは将来的に、単純作業は人工知能(AI)に任せ、社員には創造的な仕事に従事させようとする考えがある。31日には、年に340万件収集している「顧客の声」の分析に、米IBMが開発したAI「ワトソン」を活用すると発表した。
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