トヨタ「つながるクルマ」で主導権 カーシェア市場、IT企業との競争激化

 
トヨタ自動車はスマートフォンでドアロックを施錠・解錠できる技術などを公開した=1日、東京都江東区

 トヨタ自動車は1日、インターネットに接続する「つながるクルマ」の戦略説明会を開き、「カーシェアリング(共同利用)」などサービス事業を強化する方針を示した。まずカーシェアを手掛ける米ベンチャー企業に出資し、スマートフォンで特定車両の鍵を開閉する実証実験を来年1月から開始。提携企業がトヨタ車から集めた膨大なデータを使う共通の仕組みも整え、IT企業などとの主導権争いで優位に立つ考えだ。

 出資先は、個人の車の貸し借りを仲介するゲットアラウンド。米12都市で事業展開し、会員数は50万人以上に上る。

 両社が米サンフランシスコで始める実証実験は、利用者のスマホにデータセンターから車両の位置や、一定期間有効な暗号キーを送信する。利用者が指定のトヨタ車に近づくと車載の通信装置が暗号を認識し、鍵を開閉できる。鍵の受け渡し時の紛失などを防ぐ狙いだ。

 つながるクルマはカーシェアのほか、故障や事故の通報、保険会社による運転状況の把握などに活用が期待される。トヨタも今年に入り、米配車アプリ大手、ウーバー・テクノロジーズや、あいおいニッセイ同和損害保険と提携した。今後は提携先に対して共通のソフトウエア開発の仕組みを導入し、提携を加速する。

 ただ、将来の成長市場の主導権争いは激しい。米ゼネラルモーターズ(GM)は、車の相乗りを仲介する米ベンチャー企業に出資。米IT大手グーグルも、車載機器の規格を開発する団体を主導するなど異業種も参入する。

 トヨタの友山茂樹専務役員は説明会で、「車両の制御や顧客との接点は、事業の中核なので主導権を握るが、車載OS(基本ソフト)などインフラでは協調していきたい」と述べた。