電気製品の使用状況を調べるシステム 東電、日立、パナがIoT使い共同で構築へ

 
東京電力パワーグリッドが試作したセンサー=7日、東京都千代田区

 東京電力と日立製作所、パナソニックの3社は7日、住宅内の電気の使用状況や温度などの情報を収集して、蓄積、加工する共同実証試験を開始する、と発表した。IoT(モノのインターネット化)プラットフォームを構築して分電盤周辺にセンサーを設置。家電製品ごとの使用状況をリアルタイムで検知して情報を集める。

 実験は、東京を中心とする関東地区の集合住宅と戸建て住宅111戸で、期間は今月から来年3月まで。東電子会社の東京電力パワーグリッド(東京都千代田区)が全体の取りまとめを行い、日立は集めた情報の管理、パナソニックは電力線を使った家庭内の通信をそれぞれ担う。

 取り付けるセンサーは、電力温度や照明の明るさ、赤外線も計測可能。このため電力使用状況の把握に加えて、高齢者などの安否を確認するサービスや、家電の故障を事前予想して知らせるサービスなど、幅広い活用法を想定。セキュリティー会社以外に、宅配事業者や広告配信事業者の利用が考えられるとしている。

 東電によると、家電の使用状況は既存サービスでも把握できるが、今回の実験はセンサーが1個で済み、家電ごとに取り付ける必要がないという。また、センサーは小さいため、分電盤の中にも設置可能という。

 同日都内で会見した東電パワーグリッドの石川文彦経営企画室長は「すでに(セキュリティー会社などの)事業者とは何社か協議はしている」と明かした上で、実験後に事業者ともう少し大きなフィールド試験を行ってから事業展開したい」と意欲を示した。