フィリピンでソフト開発受託、高度なIT人材育成 AWSホールディングス

 

AWSホールディングス・青木正之社長

 ソフトウエアの開発業務を海外に委託するオフショア開発は、国内のITエンジニア不足と低コスト化のニーズから広がりをみせている。フィリピンでソフト開発を受託するAWSホールディングスは徹底した教育で高度なIT人材を育成し、顧客のニーズに応えている。青木正之社長は「『ゴー・グローバル・カンパニー』として、国益にかなう事業モデルを展開する」と自信をみせる。

 --700人以上のフィリピン人エンジニアを抱えている

 「当社のフィリピン法人となる前身の会社は1993年に設立され、20年以上にわたり高品質、低コストのシステム開発実績を積み重ねている。フィリピンではITは国家の重点産業と位置付けられ、ITアウトソーシングの売上高が急成長中だ。世界的なアウトソーシング拠点としてマニラ首都圏、セブ都市圏など、7都市が上位100位までにランクインしている。また、中国以外に生産拠点を持ちリスクを分散する『チャイナプラスワン』の最適地の一つとしても注目されている」

 --人材育成の方法は

 「フィリピン全土で理工系専攻の大学生を採用している。毎年約4000人が応募し、厳選した百数十人が合格する。このうち4割強がトップ3の大学出身者で占められている。合格者は当社研修センターで4カ月間、日本語とITスキルを身につける。宿題も多くハードだが日本語で書かれた仕様書が読める日本語検定4級レベルまで育成する」

 --他社のソフト事業者との違いは

 「オフショア開発の受託会社はコスト削減を売り物にしていることが多いが、当社は技術スキルで勝負する。オフショアは下請け的な業務が主流だ。しかし当社はエンジニアを顧客の元へ派遣して開発の提案をすることで、より高度な要望に応えているため、顧客向けに最適化できる強みがある」

 --メディカル分野にも強い

 「医療現場の業務効率を改善し、経営の質を高めるソフトウエアを開発している。レセプト(診療報酬明細書)点検ソフトでは日本のリーディングカンパニーとして支持され、約1万2000の医療機関に利用されている。すでに開発が終わっているストック型ビジネスなので利益率が大きく今後も拡大余地があり、グループ病院や診療所を中心に導入を促していく」

 --今後の戦略について

 「当社のエンジニアの技能が評価され、日本に20社ほどしかないIBMの戦略的パートナー企業に選ばれた。これを呼び水にして、金融業、大手車載機器メーカーなどと協業を進めている。メディカル事業に関しては、レセプトのデータ解析をする分析エンジンを構築する。来年以降、米国へも本格的に進出する計画で、すでに高精度3D(3次元)マップやメディカル領域で米国のパートナー企業との協業を獲得した」

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【プロフィル】青木正之

 あおき・まさゆき 大阪府立吹田東高卒。1985年ワールド子会社のルモンデグルメ入社。95年ワールドに転籍。ワールドクリエイティブラボを経て、2005年AWS(現・AWSホールディングス)会長、13年6月から現職。58歳。大阪府出身。

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【会社概要】AWSホールディングス

 ▽本社=東京都文京区小石川2-23-11 常光ビル9階

 ▽設立=2005年12月

 ▽資本金=6億8069万円

 ▽従業員=757人(16年9月末時点)

 ▽売上高=29億2600万円(16年3月期)

 ▽事業内容=ITソリューション開発、ソフトウエア開発