三菱自、来月「eK」新型投入 不振の国内販売てこ入れ

 

 三菱自動車が、燃費データを改竄(かいざん)し一時販売停止となった主力の軽自動車「eK」シリーズについて、一部改良した新型車を12月から来年1月にかけて順次発売することが11日、分かった。燃費不正問題で不振が続く国内販売をてこ入れする。三菱から軽自動車の供給を受けている日産自動車も同時期に一部改良を実施する。

 「eK」シリーズは「eKワゴン」と「eKスペース」の2車種。日産は「デイズ」「デイズルークス」の車名で販売している。内外装を変更し、イメージを改善する計画だ。

 三菱の10月の軽自動車販売は前年同月比1.4%増の3895台と2カ月ぶりに増えた。ただ社員や取引先、軽自動車を生産する水島製作所(岡山県倉敷市)のある同県の自治体の購入が下支えしているとされ、本格的な回復には新型車の投入が不可欠となっている。

 三菱は11月28日から水島製作所で夜間勤務を再開し、不正公表前と同じ体制に戻すとしている。新型車効果による販売増で稼働率を改善したい考えだ。

 三菱は燃費不正の発覚で4月に「eKワゴン」など軽自動車4車種の生産を中止し、7月に再開した。8月の販売は再開を待っていた顧客の購入や関係者の買い支えもあり、10.8%増と大きく伸びたが、9月は21.6%減に落ち込むなど低迷している。