オプジーボ薬価、半額に 高額がん治療薬、中医協了承

 
新型がん治療薬「オプジーボ」

 優れた効果はあるが極めて高額な新型がん治療薬「オプジーボ」について、厚生労働省は16日、来年2月から薬価を50%引き下げる案を中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に示し、了承された。対象疾患が増えたため薬を使える患者が急拡大し、医療保険財政を圧迫するとの指摘が上がっていた。

 国が定める薬価の改定は原則2年に1度(次回は2018年度)だが、厚労省は「(医療保険財政への)影響が極めて大きく、緊急的に対応する」と説明。年間販売額が予想以上に増えて1500億円を超えた場合、薬価を最大50%下げられる特例を援用し、異例の大幅値下げに踏み切る。

 値下げ後の価格は100ミリグラム約36万5000円。厚労省は18年度改定で、薬価設定のルールを抜本的に見直し、改めて算定する。中医協では薬価の査定で透明性確保を求める意見が出た。販売元の小野薬品工業(大阪市)は今回の値下げについて不服意見の提出を検討するという。

 保険診療の場合、患者は薬価の1~3割を負担する。オプジーボのような高額薬では、毎月の負担額に上限を設ける「高額療養費制度」で患者の支払額に歯止めがかかるため、値下げによって利用者が急激に増えることはないとみられる。

 政府は社会保障費の圧縮に向け、医療・介護分野で高齢者の負担増などを検討しているが、オプジーボの値下げにより、来年度予算で200億円弱を抑制できる見込み。

 オプジーボは当初、一部の皮膚がんを対象に保険適用され、患者数が年約470人だったため100ミリグラム約73万円の薬価が認められた。その後、肺がんへの効能追加で対象患者が年約1万5000人に拡大したが、薬価は見直されなかった。患者1人への投与で年3500万円かかるとされる。厚労省はこれまで、値下げは17年度に最大25%にとどめ、18年度に追加で引き下げる方針を示していた。欧米での販売価格が日本の半分以下であることなどから政府内で調整した結果、時期を前倒しし、値下げ幅も拡大した。

 小野薬品工業はオプジーボの16年度売り上げを出荷額ベースで1260億円と見込むが、厚労省は流通コストなどを勘案した薬価で計算し、特例の対象となる1500億円を超えると判断した。