日本テトラパック 紙容器で森林の適正管理に対応

現場の風

 □日本テトラパック環境部マネージャー・金井路也さん(46)

 --紙容器の世界最大手として、製品への「FSCラベル」の添付を積極的に推進している

 「森林認証制度であるFSC認証では、環境、社会、経済の観点から森林管理が適正に行われていることを第三者認証機関が審査・認証し、規格を満たすと製品にFSCラベルを付けられる。テトラパックは2007年に世界で初めてFSCラベル付き紙容器を出荷するなど積極対応してきた。22日には、FSCジャパンが東京都目黒区の恵比寿ガーデンプレイスで主催するセミナーに特別協賛する予定だ」

 --FSCラベル付き紙容器の出荷実績は

 「今年4月末時点で、累計2000億パックが世界で出荷された。国内でも14年6月から他社に先駆けて出荷を始め、出荷量は今年9月時点で累計約8億7000万パックに達した。このほか15年2月に、世界中にある当社の包材加工工場と現地法人の全92施設が、加工・流通過程の管理を対象とした『CoC認証』を取得した。これにより世界中から供給できるようになった」

 --FSCラベルを販売に活用する企業が増えている

 「世界で最も信頼度の高いマークとして、企業活動に大きな影響を与えている。消費者はFSCラベル付き製品を選ぶことで森林保全に貢献できる一方、企業はFSCラベルを製品に採用することで、ブランド価値を高め、同時に環境に配慮した姿勢を示せる」

 --今後の目標は

 「当社の紙容器の約75%は再生可能な森林資源を素材に使っているが、ポリエチレンなどの枯渇資源もまだある。将来的にはそれを100%に高めたい。2つ目はリサイクルだ。20年までに全世界の紙容器のリサイクル率を現在の23.6%から40%に引き上げる。さらに、温暖化ガスの排出量削減にも取り組んでいきたい」

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【プロフィル】金井路也

 かない・みちや 東京理科大工卒。2004年日本テトラパック入社。環境本部に配属後、スウェーデン本部での勤務などを経て、08年から現職。千葉県出身。