日本郵政が高齢者向け「みまもり」事業化 iPadで健康状態確認
日本郵政グループの日本郵便は17日、米アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」を利用した高齢者向け「みまもりサービス」を来年3月にも全国展開する方針を固めた。日本郵政やかんぽ生命保険など郵政グループ全体で約40億円を出資し、同サービスの事業子会社を立ち上げる。NTTドコモやセコムも出資を検討している。日本郵便は人件費がかさむなど厳しい経営環境にあるが、地域に密着した2万4000局のネットワークとITを活用した新事業で収益拡大を図る考えだ。18日に事業化を発表する。
みまもりサービスは昨年5月に提携した米IBM、アップルと共同で、昨年10月から山梨、長崎両県で試験的に実施。両社が開発したアプリを導入したアイパッドを高齢者に利用してもらうことで、離れた所にいる家族が健康状態や服薬の確認などができる。
試験段階ではアイパッドを無償配布していたが、全国で事業化するに当たって、サービス利用料はアイパッドの貸出料を含めて月額3000円程度とする。4年後に50万人の利用者を目指す。警備会社が高齢者の緊急時に駆け付けるなど他事業者と連携したサービスの拡充も検討している。
みまもりサービスは、郵便局員が高齢者にアイパッドの操作を教える必要があるなど人手がかかる。このため、日本郵政は高コスト体質の日本郵便の収益拡大につながる事業となるか慎重に検討していたが、他業種とのサービス連携が見込めることや高齢化が進む過疎地に広がる郵便局ネットワークを生かせると判断し、10月末に事業化の方針を決めた。
今後、利用者の拡大に向けて、アイパッドだけでなく米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」搭載のタブレット端末への対応も予定している。ただ、事業の損益分岐点となる利用者50万人獲得など、サービス運営を軌道に乗せるまでの課題は多そうだ。
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