新たまごっちの販売好調 新たに加わった「キャラクターの遺伝」とは?

 
バンダイが20周年を記念して開発した「たまごっちみくす」

「遺伝」要素を取り入れた新たな楽しみ方提示

 バンダイの携帯型育成ゲーム「たまごっち」が誕生し、20年を迎えた。同社は20周年を記念し、7月に「たまごっち みくす」を発売。開発チームはたまごっちの原点を意識ししつつ、「遺伝」の要素を取り入れるなど、新たな楽しみ方を示した。

20周年意識し原点回帰

 たまごっちは1996年に発売され、キャラクターにエサを与えて育てる遊び方が爆発的な人気を呼び、社会現象にもなった。同年11月から99年3月まで販売された初代たまごっちシリーズは、全世界で累計4000万個を記録した。

 その後、2004年3月に赤外線通信機能を搭載した「かえってきた!たまごっちプラス」として復活。1年から1年半の間隔で新製品が発売され、16年3月末現在で累計8100万個以上を販売している。

 たまごっち みくすについて、開発担当のガールズトイ事業部キャラクター2チームの木次佳織アシスタントマネジャーは「20周年を意識して原点回帰にこだわった」と語る。

 たまごっちの醍醐味(だいごみ)は世話や育成にあり、その点を楽しめる企画を考えた。そこで出てきたのが遺伝子の要素をゲームの中に取り込むというアイデアだった。

わかりやすく家系図導入

 これまでは、育てたキャラクターが結婚して生まれた子供は、親に全く似ていなかった。新製品では、遺伝子が引き継がれる。キャラクターは幼児期、反抗期、思春期、フレンド期と成長するが、幼児期は父親似、フレンド期は母親似など親の特徴を引き継いでいく。

 育て方によってキャラクターが変わっていくため、最後にどうなるのか、わからないというのが新製品の特長だ。育っていくキャラクターは数千万以上のパターンがある。

 たまごっちの販売ターゲットは小学生の女の子。木次氏は「遺伝の要素を伝えるのに悩んだ」という。そのため、家族写真の撮影ができるようにしたり、20世代まで遡(さかのぼ)って家系図で自分の育てたキャラクターのルーツを確認できるようにしたりした。

 例えば、目が祖父母、この祖先と似ているといった楽しみ方もできる。家系図の導入で、子供でも感覚的に誰と似ているのか、わかるように工夫を凝らした。

 通信機能を使って、友達同士で端末をつなぎ、アイテム交換やお互いのたまごっちが行き来できる。お互いのたまごっちから、どんな子供が生まれるのか占う遊びも加えた。

 木次氏は09~12年にもたまごっちの企画を担当。今回で2回目だが、開発で一番苦労したのは「数千万以上のキャラクター確認だった」と振り返る。キャラクターはコンピューターで作成するが、最後は人の目による確認が必要で作業に膨大な時間がかかった。

 今回は20周年のため、プロモーションも通常より大々的に展開した。ただ、子供に遺伝の要素が伝わるのか不安があり、イベントでDVDを配り、遊び方を伝えるようにした。

 同部事業戦略チームの加藤陽子アシスタントマネジャーは「発売後の子供たちの反応を見ると、親と似ているという意味が想定以上に伝わっている」という。新たな要素が加わった新製品の販売は好調だ。

 バンダイは11月23日にも20周年を記念した「たまごっち みくす 20th アニバーサリー みくす バージョン」を発売する。7月の新製品をベースに、過去の懐かしのキャラクターも登場させたバージョンだ。

 初代シリーズを発売した当時の女子高生や女子大生はすでに母親になっており、娘、息子と一緒にたまごっちを楽しめる。

 たまごっちは50以上の国と地域で販売され、世界的な認知度も高い。木次氏は「遊び方は守りつつ、時代に合わせて壊すところは壊して、これからも長く愛されるキャラクターであり続けたい」と話している。(黄金崎元)

 ≪企業NOW≫

世界中の人たちに夢と感動を

 バンダイナムコホールディングスのトイホビー事業部門を担うバンダイは、人気キャラクターの玩具や模型、菓子・食品、カプセルトイ、カード、アパレル、生活用品、文具などを国内外で販売する。2015年4月から「真のグローバル化 アジアNo1☆欧米チャレンジ」を中期ビジョンに掲げ、海外事業を積極的に推進し、さらなる成長を目指している。

 具体的には日本を含むオールアジアで各国各事業でナンバーワン、日本の企画・開発力を生かし、欧米のトイホビー市場で存在感を高めようとしている。

 すでにアジアでは香港を中心に「ガンダムシリーズ」、「スーパー戦隊シリーズ」、「仮面ライダーシリーズ」、「妖怪ウォッチ」の知的財産ビジネスを展開。ホビー事業やコレクター事業、カード事業では日本の事業部が主導し、各国各事業でトップを確立する戦略を加速させている。

 一方、欧米では日本の「スーパー戦隊シリーズ」をローカライズした「パワーレンジャーシリーズ」を展開。現地で人気映画の玩具商品化権を獲得し、着実に事業を拡大している。

 バンダイの社名の由来でもある「萬代不易」は永遠に変わらないことを意味する。バンダイは、いつの時代も心を満たす商品を企画・開発し、世界中の人たちに夢と感動を与える企業を目指している。

■バンダイ

 【設立】1950年7月

 【本社】東京都台東区駒形1-4-8

 【資本金】100億円

 【売上高】1523億円(2016年3月期)

 【従業員】1230人(16年4月1日現在)

 【事業内容】玩具、模型などの製造・販売