リアルな「着ぐるみ恐竜」増産 オンアート、恐竜テーマパークの開園も視野

 
生きているかのように歩き回るリアルな恐竜の着ぐるみと金丸賀也社長=東京都港区

 博物館の造形美術作品や映画のセット、オブジェなどの企画製作を手掛けるON-ART(オンアート、東京都東久留米市)は、外見、動きともにリアルな恐竜の着ぐるみの製造ノウハウを蓄積し、増産体制を整えた。今後1~2年をめどに数十体の恐竜が一斉に登場するライブショーのロングラン興行を開き、将来は恐竜テーマパークの開園も視野に入れている。

 同社は2007年に第1号を完成させて以降、約10年間で13体の恐竜の着ぐるみを製作し、全国各地の博物館や百貨店、ショッピングモールなどで年間500回以上、ライブショーを開いてきた。化石骨格を研究し、専門家の監修を受けることでリアリティーを徹底的に追求。表面には樹脂製の素材を用いて皮膚の質感を再現した。

 人が中に入って周囲の映像をモニターで見ながらハンドルで操作する。生きているかのように歩き回って首や尾を動かし、うなり声を上げて見物客に襲いかかる。映像でしか見たことのない世界が目の前に広がる。

 最新の「ティラノサウルス3号」は全長8メートル。骨格には最先端のカーボンファイバーを使って強度を保っている。重量はティラノサウルス1号の50キロから38キロと大幅に軽量化し、安全性と操作性を向上させた。

 これまで年間1体強を製作してきたが、技術が安定し、今後は4~9体にペースを上げて種類も増やし、18年までに20~30体をそろえる。

 同社が開く恐竜のライブショーの観客動員はここ数年、右肩上がりで、ほぼ前年の1.5倍ずつ増えている。金丸賀也社長は「教育(エデュケーション)とエンターテインメントを組み合わせた『エデュテインメント』として、学びながら楽しんでほしい」と話す。

 着ぐるみ開発のきっかけは恐竜展を見たとき「模型や映像だけでなく自由に動き回る恐竜を開発すればビジネスチャンスがある」(金丸社長)と思ったことだ。世界でも例をみないリアルな動く恐竜は高く評価され、12年には経済産業省「第4回ものづくり日本大賞」関東経済局管内優秀賞など、ものづくり関連の賞を多数受賞してきた。

 「中小企業は独自の工夫で製作しなければならない」(同)と自社開発にこだわり、公演の収益で事業を続けている。

 金丸社長は「2020年の東京五輪とも連携して、日本のものづくりを世界にアピールしたい」と意気込んでいる。