空き家をリノベ 人気物件に再生 ハプティック、小田急など他社との連携強化
リノベーション業のハプティック(東京都渋谷区)は、地方の事業体制を強化する。これまでは東京を中心に大阪、名古屋で活動を行ってきたが、新たに福岡に進出。2017年以降は仙台や金沢といった地方の政令市や中核市にも順次進出する計画だ。全国各地では空き家問題が深刻化しており、その数は約820万戸と、この20年で1.8倍に増えた。同社は空き家などをリノベーションして人気物件へと再生する事業を推進。「地方でもきちんと事業を展開できるモデルを作っていく」(小倉弘之社長)計画だ。
同社が主にリノベーションの対象としているのは、1970~80年代に建てられたマンション。安価で分かりやすいパッケージプランを導入している点が売り物だ。工事では無垢(むく)フローリングなどの自然素材を活用し、床や壁、天井などの内装を大幅に変更。オプションでユニットバスの交換などにも対応する。
他社との連携も相次いで進めている。その一環として小田急電鉄と提携するとともに、ハプティックの持ち株会社であるgooddaysホールディングス(同千代田区)に小田急が資本参加。これを受けて同社は、物件の所有者によるリノベーションを前提に物件を借り上げて、入居者に貸し出すサブリース事業に参入した。
具体的には小田急不動産がオーナーの募集と賃貸管理を実施。ハプティックがリフォーム施工し、住みやすい空間に仕上げた後、gooddaysの傘下にあるグッドルーム(同渋谷区)が運営する、こだわり賃貸物件情報サイト「goodroom」を通じて入居者を募集する。ハプティックとしては年間100件の受注を目指す。
今回の新たなビジネスモデルにより、小田急グループは住み替えの支援や人口流入の促進による沿線エリアの活性化につなげていく。
一方、東急不動産系で不動産の賃貸管理を行う東急住宅リースとも提携。60平方メートルのリノベーション工事を288万円(税抜き)で施工するプランを開始した。無垢材の床を特徴とすることによって賃料と稼働率の向上を図り、同様に100件の受注を目指している。
高齢化率が高まる中、大阪や名古屋、福岡などの大都市圏で事業を展開する私鉄各社にとっても、沿線をいかに活性化していけるかが収益基盤の強化を図る鍵となる。それには空き家問題を解消していくことが重要な課題だ。
小倉社長は「小田急や東急と提携したことによって、地方の私鉄会社の間で知名度と信頼感が向上している」と話し、他の大都市圏でも東京圏と同様のビジネスモデルを構築する計画。それをベースに地方でのリノベーション事業を強化する。
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