家事代行「あったらいいな」を形に ブランニュウスタイル・和田幸子社長
ブランニュウスタイルは「タスカジ」という家事代行マッチングサービスを提供している。売りは、ハウスキーパーと依頼主の直接契約により、1時間当たり1500円からと通常の家事代行会社に比べ低価格で利用できる点だ。和田幸子社長が働きながら家事と子育てで奮闘していたときに痛感した、「こんなサービスがあったらいいな」という思いが反映されている。
◆ないなら自分で作る
和田さんは富士通で、主にシステムエンジニア(SE)として働いた。
父親が同じ会社に勤めていたため、もともと親近感があったのに加え「自動的に物事が進むようにすれば、もっと楽な世の中になる。そんな仕組みを作りたい」という思いが幼い頃からあり、SEを選んだ。
夫は金融関係の仕事に就いており、結婚直後から「お互いにどういったキャリアを積み上げていくのか」「20年後、どこに住んでいるのか」という話し合いを重ねていく。結論は「どのシミュレーションでも、お金が足りない。家事の役割分担をうまく行うことで共働きを続ける必要がある」だった。
子供が生まれてから、ベビーシッターと家事代行サービスを活用しようとしたが、いずれも満足するシステムはなかった。例えば家事代行では10人との面接を経て「最も適している」と依頼したところ、2日で辞められたケースもあった。
和田さんは富士通時代、ITを活用した新規事業立ち上げにも携わった。こうした経験から「待っていても理想のサービスは出現しない。『あったらいいな』と思うものがあれば、自分で作った方がいい」と起業してタスカジをスタートした。
◆働きぶり「見える化」
同サービスは、ブランニュウスタイルが提供するプラットフォームを活用する。1時間当たりの利用料金は1500~2600円で、このうち約20%を手数料として同社が受け取る仕組みとなっている。
一般的な家事代行サービスに比べて低価格で利用できる理由は、品質に対する考え方だ。
通常は均一で高度なサービスを提供するのに対し、タスカジでは各ハウスキーパーの自主的な取り組みに任せている。それを支えているのが働きぶりの“見える化”。ユーザーがレビューを通じて評価し、それが別の契約の料金設定にかかわってくるため、「もっとスキルアップを図りたいというモチベーション向上につながっている」(和田社長)のだ。
現在の登録ユーザーは7500人で、ハウスキーパーの登録者は350人。サービスの中では、料理の作り置きに対する人気が高い。
政府は女性の活躍推進を呼びかけているが、仕事と家事・育児の両立は依然として難しいのが現状。利用しやすい家事代行サービスに対するニーズが高まるのは必然的な流れだ。このため同社では、シニア向けサービスの提供などにも乗り出すことで、タスカジのブランド力向上を図っていく。
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【プロフィル】和田幸子
わだ・さちこ 横浜国大経営卒。1999年富士通入社、中小企業向けクラウドサービスの立ち上げなどに携わる。2013年11月ブランニュウスタイルを設立し、現職。40歳。兵庫県出身。
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【会社概要】ブランニュウスタイル
▽本社=東京都港区芝浦3-14-19 大成企業ビル6階
▽設立=2013年11月
▽従業員=7人
▽事業内容=家事代行サービス
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