人工流れ星の搭載衛星開発へ ベンチャーが東北大と共同研究
2018年の人工流れ星実現に取り組む宇宙ベンチャー、ALE(エール、東京都港区)は、人工流れ星の粒子を搭載する人工衛星を開発するため、東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻の吉田・桒原(くわはら)研究室と共同研究契約を交わした。電力供給や姿勢制御などの基本機能を備えた衛星本体部分(バス部)を共同で開発する。人工衛星から流れ星の粒子を放出する装置の開発も進み、試作機が間もなく完成する見込みで、準備作業は最終段階にさしかかる。
17年の年明けから開発するのは、一辺50~60センチの立方体の衛星。「エンジニアリングモデル」と呼ばれる試作機を製作し、耐熱性や耐衝撃性を検証する。問題がなければ実際に打ち上げる「フライトモデル」の製作に入る。詳細な打ち上げ時期は未定としているが、第1号は18年中の打ち上げを想定している。
流れ星は、宇宙空間に漂う直径数ミリ程度のちりが大気圏に突入することで発生する。人工流れ星は「これと同じことを人の手で行う」(岡島礼奈社長)宇宙時代の花火だ。具体的には、人工流れ星の粒子を積んだ人工衛星を上空500キロのところまで打ち上げて軌道に乗せた後、流れ星の粒子を高度60~80キロの「中間圏」と呼ばれる大気の層に向けて放出する。
地上から打ち上げる花火は直径10キロくらいの範囲でしか見られないが、「人工流れ星なら直径200キロ(の範囲で見られる)。東京都心の上空に人工流れ星が現れれば、約3000万人が見られる」(岡島社長)という。
人工流れ星の素になる粒子は、青、緑、オレンジの3色での開発を進めており、候補となる物質の絞り込みを進めている。ナトリウムはオレンジ色、銅なら緑色というように、物質を炎の中に入れると特有の色の光を放つ炎色反応を利用する。
人工流れ星の明るさはマイナス1等星を想定。北極星は2等星、おおいぬ座のシリウスがマイナス1.5等星に相当するので、ほぼその中間くらいの明るさを狙っている。
同社では打ち上げにあわせたイベント「スカイキャンバス」の企画も検討しており、さまざまな分野の企業から協力の申し出が寄せられているという。
岡島社長は「少しでも早く事業化を進め、20年の東京オリンピック・パラリンピックに間に合えば」と話している。
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