ロボットに無理なら熟練工の出番!「ヘーベルハウス」関連工場の溶接部隊で

 
熟練工が完全手作業で対応する溶接ライン=滋賀県東近江市の滋賀工場

 旭化成ホームズの注文住宅「ヘーベルハウス」向け鉄骨部材の主要部を生産する旭化成住工の滋賀工場(滋賀県東近江市)が、熟練職人の技を活用した新たな生産体制を導入した。また、環境対策や今年5月に稼働したベトナム工場のサポートにも力を入れている。

 旭化成住工は滋賀工場と、窓枠の組み立てを行う厚木製造部(神奈川県厚木市)を傘下に収める。このうち滋賀工場では受注拡大に伴って鉄骨の製造量も増加。加工部材の重量は月間7700トンと、東京タワー2基分に匹敵する数値だ。

 出荷数が増えているのは、システムラーメン構造を採用した3階建て商品「FREX(フレックス)」向けの重量鉄骨。誕生から30年を経過し、工場内の生産ラインも急速に自動・ロボット化が進んでいる。例えばロボットの手では細かすぎて不可能と思われたはりとプレートの溶接についても、2015年度に最新鋭の自動溶接設備を導入して対応できるようにした。

 そのFREXの新商品が11月から販売を開始した「NEWモデル」。最大の売りは、これまで4階以上か特殊邸宅物件に採用していた厚さ22ミリのC0(ゼロ)柱を適用した点だ。これによって5間(約9.1メートル)×5間という大空間を、1本で支えることができ、これまでにない空間の演出が可能になった。

 この柱は40ミリ厚のプレートと溶接する必要がある。サイズが大きくロボットでの対応が難しいため、社内認定制度をクリアした5人の熟練工による完全な手作業により、1本当たり30分かけて丁寧に溶接していく工程を導入した。

 環境対策面では、4月からエンジンの排熱を利用して蒸気と温水を利用し、塗装工程で利用するコージェネレーションを稼働。発電量は一般家庭の約253世帯分で、電力のピークカットにつなげる。

 一方、今後の重点課題に掲げているのが、コストダウンの推進などを目的に設立した旭化成住工ベトナムの支援。日本で数年働いた経験がある現地スタッフをリーダーに配置し、4人を常時派遣して指導に力を入れる。「手先の器用さは日本人に近い」(寺田真人・旭化成住工社長)といい、生産品種を3倍に拡大するのが当面の目標だ。

 旭化成ホームズの池田英輔社長は「当社の場合、3階建て市場は景気に大きく左右されないとみており、一層のシェアアップを目指す」と話している。旭化成住工が果たす役割は一段と重みを増しそうだ。

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【会社概要】旭化成住工

 ▽本社=滋賀県東近江市湯屋町1番地

 ▽設立=1963年12月

 ▽資本金=28億2000万円

 ▽売上高=299億円(2015年度)

 ▽従業員=558人

 ▽事業内容=旭化成ヘーベルハウス用鉄骨部材などの生産