自動車各社、歩行者保護の高機能車加速 高齢者の事故多発、社会的ニーズに応える
自動車各社が、歩行者との衝突を未然に防いだり、事故時に歩行者被害を和らげたりする機能の強化を急いでいる。高齢運転手の交通事故が相次ぐ中、社会的要請に応える狙いがある。
トヨタ自動車の全額出資子会社、ダイハツ工業は30日、歩行者との事故を未然に防ぐ衝突回避支援システムを開発したと発表した。システムは、同日に一部改良して売り出した軽自動車「タント」にまず搭載した。
開発したシステムは、フロントガラスの上部に設置した超小型のカメラなどから構成。カメラが歩行者を検知すると、その人と車との距離を測り、そのまま走れば衝突が避けられないとプログラムが判断すると、まず警報で運転手にブレーキ動作を促す。
それでも反応しない場合はプログラムが自動的にブレーキを踏み、歩行者との衝突を防いだり、被害を軽減したりする仕組み。時速4~30キロメートルまでならぶつからず、30~50キロメートルまでなら急ブレーキで衝突時の被害を抑制する。
同日、記者会見したダイハツの上田亨上級執行役員は「このシステムの展開でより多くの人に安心、安全を届けたい」と述べた。
富士重工業は10月25日に全面改良して発売した主力乗用車「インプレッサ」に歩行者保護のためのエアバッグを搭載した。事故時に歩行者が頭部を強打しないよう車外のフロントガラス付近でエアバッグが膨らむ仕組みで、国内メーカーでは初となるシステムだ。
自動車各社が歩行者保護機能の強化を急ぐのは自動車に起因したけがや死亡事故を減らすのが目的だ。
警察庁のまとめによると、今年1~6月の自動車とバイクが第一当事者となる死亡事故は1588件。事故総数は10年前の2006年に比べ約6割にまで減少した一方で、高齢者の事故の割合は増加傾向が続いている。こうした流れに歯止めをかけるため、衝突回避機能や衝突時の被害を軽減する機能を新型車や改良車に搭載する動きがさらに広がる可能性もある。
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■自動車各社の主な歩行者保護システム
・ダイハツ工業
軽自動車「タント」に歩行者との衝突を回避するシステムを搭載
・富士重工業
歩行者を保護するためのエアバッグを「インプレッサ」に搭載
・マツダ
小型車「デミオ」とスポーツ用多目的車(SUV)「CX-3」に頭部への打撃を抑える構造を採用
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