イオンとセブンが新食品スーパー公開 今後の戦略の鍵 こだわりの品質・味に活路
イオンが公開した「ビオセボン」日本1号店の店内=8日、東京・麻布十番
衣料品を中心に消費低迷に直面する流通2強のイオンとセブン&アイ・ホールディングスが8日、今後の戦略の鍵を握る新たな食品スーパーをそれぞれ公開した。いずれも品質や味にこだわった生鮮品や総菜で活路を見いだそうとしている。
イオンが披露したのは、東京・麻布十番に9日開店する提携先のフランスの食品スーパー「ビオセボン」の日本1号店。価格は割高だが、全国約120の農家から仕入れる有機野菜や店内の対面型キッチンで調理するサラダなどをそろえた。
棚には畑の土が付いた根菜も多く、客の目の前で洗って鮮度をアピールする演出も。有機野菜はフランス流の量り売りが中心で、持ち帰り用のレジ袋も紙製だ。岡田元也社長の長男の尚也店長は「必要な分だけ買い、環境にも優しい消費スタイルを提案したい」と話す。同じ建物にイオングループのヨガスタジオなども出店し、健康志向の消費者に狙いを定める。
セブン&アイは、8日にオープンした家具チェーン大手ニトリホールディングスの梅島ショッピングセンター(東京都足立区)1階に「食品館イトーヨーカドー」を出店した。
脂が乗った大型マグロの切り身やニトリにちなんだ鶏丼が売り。片手で食べながら2~3階のニトリの売り場を見て回れるようホットドッグなども充実させた。
客の好みが多様化し、衣料や雑貨の流行を捉えるのが難しくなる中、需要が堅調な食品に集中せざるを得ないのが実情。イトーヨーカ堂の亀井淳社長は「ニトリと補完し合える」と強調した。
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