太陽光発電で電力安定供給 積水化学と京セラ、屋内型蓄電システム開発

 
省スペース化を図った電池ユニット

 積水化学工業は12日、京セラと共同で屋内設置型の住宅用蓄電システムを開発したと発表した。積水化学が開発した大容量フィルム型リチウムイオン電池の事業化第1弾で、京セラの太陽光発電の電力を効率よく充電できるハイブリッド型パワーコンディショナーと組み合わせてシステム化した。積水化学が2017年1月2日から発売する戸建て住宅「スマートパワーステーション“100% Edition”」に標準搭載するほか、他の新築住宅にも適用する。

 従来の屋内型蓄電池に比べて約半分のスペースへと小型化を図りながら、12キロワット時の大容量を実現し寿命も倍増した。また、電気自動車(EV)との連携によって太陽光で発電した電力を大容量でためられるようにするなど、「快適に暮らしながらエネルギーの100%自給自足を目指し、電力供給ゼロに対する不安感を取り除いていく」(関口俊一取締役)考えだ。「100% Edition」の3.3平方メートル単価は80万円台からで、年間100棟の販売を計画している。

 積水化学は13年に同電池を開発。薄型で高容量、高い安全性などを売り物に事業化に向けた準備を進めてきた。塗工できる点も大きな武器で、上ノ山智史取締役は「住宅に加え自動車向け事業を、より積極的に展開していきたい」と話しており、20年以降に車載向け市場へ参入することを目標に掲げている。