製薬業界が治験機関名称、金額公開へ 癒着や不正を抑止、産学連携の信頼性向上

 

 新薬開発のために産学連携を強化している製薬業界が、臨床試験(治験)や創薬の共同研究を実施した大学など相手先の名称、投じた金額を公開する方針を決めた。各社が今年度分から毎年、ホームページに掲載する。外部には知られたくない企業戦略にも関わる情報だが、公開することで癒着や不正を抑止でき、産学連携の信頼性を高められると判断した。

 新薬メーカーなどで作る業界団体「日本製薬工業協会」(製薬協、73社)が独自の指針を策定した。

 毎年度の決算終了後に、治験を実施した医療機関などの名称と個別の金額、共同で創薬研究に取り組んだ大学など相手先の一覧と総額をそれぞれ公表する。

 製薬各社は、大学や医療機関と強い結びつきを持っており資金提供も行っている。こうした中、高血圧治療薬「ディオバン」の臨床データをめぐる不正のように、企業に都合の良いデータだけを利用するといった不祥事も国内外であった。

 製薬協は2011年に「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」を策定。会員企業は、研究室への寄付や原稿執筆などに対する謝礼の個別内容については、すでに公開している。