仕事ができ慕われる人材を育成 アネゴ企画・上田雅美代表取締役

 

 潜在能力や気づいていない本来の想いを導きだし、自主的な行動を促すサポートをするサービスである「コーチング」。日本ではまだまだなじみが薄いコーチングだが、米国では自己実現に向けコーチを雇う企業の経営幹部は少なくない。日本企業の経営者や幹部などエグゼクティブにコーチングを提供しているのがアネゴ企画(東京都渋谷区)の上田雅美さんだ。

 ◆職場を変えたい

 上田さんがコーチングと出合ったのは、今から約17年前。当時、システムエンジニア(SE)として社会基盤システムの構築を手掛けるチームで働いていた。勤務時間が長いうえ、業務も複雑で、チーム全員が疲弊していた。このため、人間関係は希薄で、職場環境は悪化の一途をたどっていた。職場のコミュニケーションをより円滑にするにはどうしたらいいかと考え、学ぼうと選んだのがコーチングだった。

 しかし、コーチングを学びはじめてすぐに自分の間違いに気付くことになる。コーチングは自らの力で描き、自分の世界を作り出していくことを支援するもので、組織内でのコミュニケーション能力の向上については学ばないからだ。コーチングを学び、目標を持って生きることの大切さを知ると、自分自身が大きく変化していくのに気付いた。「チームの同僚にもそれが伝わったのか、心を開いてくれるようになり、チーム内の雰囲気もがらりと変わった」と当時を振り返る。

 SEの業務は年々専門性が求められるようになり、激務が続いていた。そんな時でも、コーチングで学んでいることや、学んだことを社内でも積極的に話している上田さんの姿をみていたある上司が一言つぶやいた。

 「君はSEよりもコーチングの方が向いている」

 何気ない上司の一言に衝撃を受けた上田さんはコーチとしての独立を考えるようになる。「不安がなかったといえば嘘になるが、やってみて駄目ならしようがない」と腹をくくり、2005年コーチとして独立した。

 08年にはアネゴ企画を設立した。社名にもなっている“アネゴ”は仕事ができ、面倒見がよく、後輩に慕われるような女性のことを指す。上田さんは「企業の中に1人でも多くのアネゴを送り出したい」と意気込む。

 ◆事業承継に注力

 同社の売りは、クライアントのテーマを基に、コーチプログラムをオーダーメードで提供し、経験豊富な弁護士や税理士といった専門家とともに支援している点にある。

 目下、注力しているサービスが事業承継などを支援するファミリービジネス「同族経営パートナーズ」だ。円滑な事業承継だけでなく、会社の体制づくりまでも支援する。

 15年から取り組んでいるが、「年々、事業承継といったファミリービジネスに関する相談が増えている」と手応えを感じている。

 「60~70点ぐらいですかね」。アネゴを自認する上田さんに自身がどれくらいアネゴなのか点数をつけてくださいと聞くとこんな答えが返ってきた。「アネゴになるための努力に終わりはありません」と真のアネゴになるため、上田さんが汗を流す日々は当面、続きそうだ。

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【プロフィル】上田雅美

 うえだ・まさみ パンパシフィック・ビジネスカレッジ卒。システムエンジニア(SE)などを経て、2005年プロコーチとして独立。08年11月アネゴ企画を設立し、現職。リーダーシップに関するコミュニティ(勉強会)「リーダー塾」も主催。46歳。東京都出身。

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【会社概要】アネゴ企画

 ▽本社=東京都渋谷区千駄ケ谷5-21-6 プラザF1ビル5階

 ▽設立=2008年11月

 ▽資本金=300万円

 ▽事業内容=エグゼクティブコーチング、企業研修、ファミリービジネスアドバイザーなど