ジェットコースターなど居ながらにして体験 テーマパークで増えるVRアトラクション
ジェットコースターで花畑を突っ切り、ハンググライダーでマグマの上を越えて飛ぶ。実際にやろうとしても不可能なこれらの遊びが、VR(仮想現実)によって遊園地などで楽しめるようになりそうだ。東京ビッグサイトで12月に開かれた見本市のテーマパークEXPOには、VRや「ポケモンGO」で話題となったAR(拡張現実)の技術を使って、いながらにしてさまざまな体験ができるアトラクションが並んで、“未来の遊園地”の姿を見せていた。
レールの上に置かれたライドに乗り込み、イスに座ってシートベルトで体を固定し、VRヘットマウントディスプレイを装着する。見ると、目の前には黄色いジェットコースターのレールが上方へと伸びていて、スタートの合図とともに前へと進み始める。頂点まで来ると、ジェットコースターは一気にレールを下り、右へ左へと曲がりループも回って突き進む。ライド自体が前進や後退を行うほか、座っているイスが上下左右に動き、カーブやループの動きを再現して体に伝える。そこに映像が重なると、本物のジェットコースターに乗っているような気分になってくる。
遊園地やテーマパーク向けの装置を開発・展開している泉陽興業(大阪市浪速区)が、テーマパークEXPOに出展した「VRビークル」は、遊園地の花形とも言えるジェットコースターを、わずかなスペースで再現できるVR専用ライドシステム。コンテンツを作り込めば、花畑の中を突っ切り海中を進む、現実にはあり得ないジェットコースターを生み出せる。
VRアトラクションを幾つも開発しているメディアフロント・ジャパン(東京都渋谷区)が持ち込んでいたのも、現実では飛べなさそうな場所を進むハンググライダーのVRだ。翼の下につり下げられた板に寝て、バーを持ってVRヘッドマウントディスプレイを装着し、プレーをスタート。空中を飛行していく途中で、マグマの上を越えたり狭い渓谷を抜けたりといった、本物のハンググライダーではあり得ないシチュエーションが連続する。送風機から吹き付けられる風が、空中を飛んでいる感じを増す。
風船につかまって空を飛ぶ体験ができるのが、タケナカ(大阪市港区)のVR装置。ハンモックのようにつり下げられた座席に体も足も載せ、VRヘッドマウントディスプレイを装着して紐を手でつかむと、そこから視界は有名な「太陽の塔」の下から上へと昇っていき、周囲を見渡したあとで地面へと戻る。
ポニーキャニオン(東京都港区)が出展していたのは、ARシステム「HADO」を使ったバトルゲーム。手首に装置を付け、スマートフォンがセットされたヘッドマウントディスプレイを装着すると、スマホのカメラがとらえた実際の視界にCGで描かれたモンスターが重なって見える。装置をはめた腕を目に突き出すと、炎が発射されて向かってくるモンスターに当たる。何度も腕を突き出し、モンスターを弱らせて倒し、次に登場する巨大なドラゴンも倒せばクリアとなる。同じシステムを使ったARアトラクションが、ナムコ(東京都港区)のナンジャタウンなどに導入されているという。
テーマパークEXPOにはほかに、スキージャンプを体感できるVRアトラクションや、車に乗って巨大なボールを動かしサッカーをするVRアトラクションも並んでいた。大型の乗り物や施設で遊んだテーマパークや遊園地にも、VRやARの技術を使って、今までにない体験ができるアトラクションを導入する動きが進みそうだ。
屋内型のアミューズメント施設にも、VR強化の動きがある。全国でゲームセンターを運営しているアドアーズ(東京都港区)は12月、VRアトラクションを設置したVR PARK TOKYOをアドアーズ渋谷店にオープンした。東京ゲームショウ2016で評判になった、剣を振るって敵を倒していく「サークル・オブ・セイバーズ」や、メディアフロント・ジャパンが提供する、高所で銃撃戦を楽しむ「DIVE HARD VR」などを置いて、家庭用とは違ったVR体験を提供している。
東京・お台場で「VR ZONE Project I Can」を期間限定で運営してきたバンダイナムコエンターテインメント(東京都港区)とナムコは、10月の営業終了後、一部のアトラクションを愛知県長久手市に12月9日オープンしたnamcoイオンモール長久手店内に移設。「VR NAGAKUTE By Project I Can」として、ホラー体験ができる「閉鎖病棟Ω」などを置いている。
東京・お台場にある東京ジョイポリスにも、「VR生き人形の間」というアトラクションが登場。ほかにもVRコーナーを置くアミューズメント施設やショッピングモールが全国的に増えており、テーマパークや遊園地とともに、体験型のVRを広めていくステーションとなっていきそうだ。
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