サンヨーホームズ、「寄り添いロボット」来春発売 高齢者の転倒によるけが防止
住宅メーカーのサンヨーホームズは、高齢者らの転倒によるけがを防ぐ室内用器具「寄り添いロボット」を来年4月に発売する。天井のガイドレールからワイヤでつるしたベスト型の本体を装着し、万が一転倒しても安全に着地させる仕組み。初年度は100台の販売を予定し、2年目は1000台を計画している。リフォームや新築時に設置し、価格は工事費込みで50万円から。
矢野経済研究所によると、住宅リフォーム市場の規模は2020年に15年比で12%増の7兆3000億円と予測され、30年まで市場拡大が持続するとみている。とくに高齢化に伴うリフォーム需要が底堅いことから、同社は受注の際に差別化を図る有効なツールとして攻勢をかける。
寄り添いロボットは、ワイヤでつるされたベストを上半身に装着する。室内の天井に取り付けたガイドレールに沿って、寝室、キッチン、トイレなどを移動。転びそうになるとその力が天井からつるされたモーターに伝わって抵抗力が働き、急に倒れることなく、だれかが体を支えて、ゆったりと寝かせるように床に着地させる。電気を使わず、2年に1回の定期点検だけで手間もかからない。
これまでは、要介護者が転倒した場合、周囲に人がいないとだれかに発見されるまで起き上がることができず、そのまま放置されることが多かった。同器具は安全に倒れて自分で起き上がることができる。このため一人暮らしや、日中家族が外出して一人になる高齢者が安心して日常生活を送れるようになる。
昨年から開発に着手し、関連会社が運営するデイサービス施設で実証実験を重ねている。当初、個人宅向けを想定したが、病院、福祉施設、リハビリテーション施設などからの問い合わせが多い。細井昭宏執行役員は「リハビリを指導する理学療法士から『転倒によるけがを心配しなくていいので、トレーニングが進めやすい』と期待されている」と話す。
住宅リフォームは段差をなくす、車いすでも入浴できるように浴室を改造するといった同じような工事になりやすく差別化がしにくい。パナソニックは建築士と福祉関連の両方の資格保持者を「住環境プランナー」という介護リフォームのスペシャリストとして養成し、顧客の事情に合わせた提案をすることで長期間にわたってサポートしている。リフォームビジネスで勝ち残るため、各社の知恵比べが激化しそうだ。
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【会社概要】サンヨーホームズ
▽本社=大阪市西区西本町1-4-1
▽創立=1969年2月
▽資本金=59億4516万円
▽従業員=715人(2016年4月時点)
▽売上高=604億円(17年3月期予想)
▽事業内容=住宅関連、ライフサポートなど
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