富士通社長・田中達也さん(60)

2017 成長への展望
富士通社長田中達也さん

 ■ビジネスモデル改革を「確信」する年

 --2017年はどんな年にするか

 「ビジネスモデルの変革を進める経営方針を示した16年を漢字1文字で表すと『進』だった。17年は『信』の年にしたい。取り組んでいる改革について、これでいいんだと確信を持てるようにしたい。17年度にリターンが出てくるのを期待している」

 --重点的に取り組む分野は

 「一つは、サイバーセキュリティーだ。16年11月に、司令塔となる事業戦略本部を設けた。顧客企業が展開する新しいデジタルサービス分野では、セキュリティーは根幹となる。万が一、ウイルス侵入されてしまう際、被害をいかに最小化するかが重要だ」

 --強化策は

 「人材育成を強化する。19年度までに、専門技能を持つ『マイスター認定者』を現在の1500人から1万人にまで増やし、1000億円程度を投資する。売上高も現在の1500億円規模から3000億円に倍増させる。この分野で世界のトップ3に入りたい」

 --人工知能(AI)にも力を入れている

 「18年に専任者を現在の700人から1500人に拡大する。この分野でも18年度までに1000億円強を投じ、20年度までに関連ビジネスの売上高を累計3200億円にまで引き上げたい」

 --産学連携は

 「AIを進化させるため、理化学研究所と共同研究を行う。研究テーマは想定外を想定する技術だ。シミュレーション技術とAI技術を融合し、ものづくり、ヘルスケア、サイバーセキュリティーへ活用する」

 --競合他社に負けない富士通のAIの強みは

 「サイバーセキュリティー事業にAI技術を加え、検出能力の向上などに取り組んでいる。ニーズは日々受け取っている。理研との共同研究では応用技術もテーマにし、ビジネスモデルを考えていく」

 --レノボグループとのパソコン事業の統合のメリットは

 「当社の強い部分についてはレノボも理解してくれている。いいもの同士が一緒になることで新しい価値が生まれる」

 --M&A(企業の合併・買収)の戦略は

 「M&Aありき、売り上げありき、というのは得策ではない。テクノロジーソリューションに注力して基盤を作り、当社の価値を相手に認めてもらうことが重要だ。しっかりとした収益をあげられる領域を確立していきたい」

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【プロフィル】田中達也

 たなか・たつや 東京理科大理工卒。1980年、富士通入社。執行役員常務兼Asiaリージョン長、執行役員副社長を経て、2015年6月から現職。福岡県出身。