スポーツ大手、大都市直営店拡充 量販店中心見直し、顧客と接点増やす
ニューバランスジャパンが大阪・梅田にオープンした直営店
大手スポーツ用品メーカーが、大阪や札幌といった大都市に直営店を相次いでオープンさせている。2020年の東京五輪に向けてスポーツ熱の高まりが予想される一方で、メーカーの競争も激化。顧客との接点を増やして服や靴、小物などをセットで提案して囲い込みを図る。
ニューバランスジャパン(東京)は昨年11月、大阪・梅田に国内6店舗目となる直営店を開いた。人気のスニーカーに加えて上着やパンツといったスポーツウエアも充実させ、ブランドの魅力を一体的にPRする拠点として位置付けた。
冨田智夫社長は「量販店よりも商品の特徴を伝えやすい。インターネット通販と店舗を連動させることで在庫不足にも素早く対応できる」と利点を語る。昨年10月にオープンした札幌に続き、今後は名古屋や福岡などの大都市を中心に10カ所ほど直営店を開く計画だ。
アシックスは大阪・心斎橋に復刻版のスニーカー「アシックスタイガー」の直営店を昨年秋、初めて開設した。映像を投影するプロジェクションマッピングの機器なども使いながら「ブランドの世界観を発信する」(幹部)ことで若者の支持を得たい考え。
アディダスジャパン(東京)も「リーボック」の直営店を大阪・梅田や広島市に相次いでオープンした。
「ユニクロ」や「ギャップ」といったカジュアル衣料品店などがスポーツウエアを強化し、競争が激しくなる中、専業の各社はこれまでの量販店を中心にした展開から直営店で顧客との接点を増やす戦略に軸足を移している。
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