明治安田生命保険社長・根岸秋男さん(58)

2017 成長への展望

 ■AI導入で営業職員チャンネル強化

 --4月からの次期中期経営計画の柱は

 「現中計の期間で成長に向けた土台を築くことができた。(1)医療保険や介護保険などの『第3分野』(2)女性向け保険(3)高齢者向け保険(4)外貨建てや変額年金などの『特定商品』-の4つの成長分野に対し、イノベーティブ(革新的)な挑戦をしていく。まずは、魅力的な商品を順次投入する。今年夏ごろに外貨建て商品を出し、『貯蓄から投資へ』の流れを取り込む。次期中計の3年間で営業職員をさらに5~6%増やし、生産力を高める。アフターフォロー(契約後の対面でのコンサルティング)の期待値を高める取り組みも強化していきたい」

 --営業職員チャンネルの強化策は

 「新契約や支払いの査定、運用面の一部の判断などに人工知能(AI)を導入する。保険契約の手続きの際、お客さまに煩わしさを感じさせないようにする一方、営業職員によるコンサルティングを充実させるのが狙いだ。8月以降、営業職員の初任給を5000~3万円程度引き上げる方向で検討している。評価制度も見直し、アフターフォローの実施状況を評価できるようにする」

 --予定利率の目安となる標準利率が4月に現行の1.00%から0.25%に下がる

 「それを参考に、平準払いの貯蓄性商品については保険料を大幅に引き下げる方向で検討している。販売への影響は非常に大きいだろう。今後は予定利率の影響を受けにくい保障性商品の魅力を高めることで、貯蓄から投資へのニーズに応えていきたい」

 --トランプ氏の米大統領就任は、傘下の米中堅生保スタンコープ・ファイナンシャル・グループの戦略にどんな影響を与えそうか

 「スタンコープは買収時に描いていた成長軌道よりも上振れしている。団体保険の新契約は2~3割増と想定以上に伸びているなど、手応えはいい。トランプ政権下で米国経済の成長がさらに発展していけば、それを享受できる会社だ。ただ、トランプ政権の政策の動向は注視していく必要がある」

 --海外M&A(企業の合併・買収)は続けるのか

 「海外事業の貢献度は現在約8%程度あるが、中長期的に10%を超える水準を目指したい。まずはスタンコープを確実に成長軌道に乗せることが最優先課題だ。同時に将来の成長に向けて、さまざまな選択肢を用意する必要もある。欧州とアジア、北米、日本の4極の拠点を通じて、M&Aの調査研究も続ける」

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【プロフィル】根岸秋男

 ねぎし・あきお 早大理工卒、1981年明治生命保険(現明治安田生命保険)入社。執行役営業企画部長、常務執行役などを経て、2013年7月から現職。16年7月から生命保険協会会長。埼玉県出身。