丸紅社長・国分文也さん(64)

2017 成長への展望
丸紅国分文也社長

 ■農業関連含め米国の事業や投資拡大

 --ロシアの資源開発に参画することを決めた

 「ロシアの国営石油会社ロスネフチや石油天然ガス・金属鉱物資源機構などと、サハリン南西部の石油開発で合意した。まだ、スタートラインで調査後に探鉱に移る。ロシアの資源はエネルギー安全保障上も重要で、長期の視点で取り組みたい。民間が主体的に取り組むべきだが、政府の支援で一歩踏み出せた」

 --資源事業への取り組みは

 「資源価格は上昇時は買い圧力が、下落時は慎重姿勢と、どうしても心理的要因に左右される。コスト競争力をベースに長期安定的に何をやるべきかの今後の方針を2月くらいまでには決めたい。資源安でも採算がとれ、競争力のある案件を積み上げる」

 --資源下落などで業績予想の下方修正が相次いだ

 「自己資本に対する有利子負債の割合を示す指標は商社の中でも見劣りし、財務体質改善は優先事項だ。稼いだ利益を負債の返済と成長投資に回すが、資産の入れ替えを進めながらの投資になる。投資の取り込み利益に加え、投資先同士を組み合わせ、どう相乗効果を生み出せるかが勝負だ」

 --2016年度からの中期経営計画で、非資源の重点分野に農業資材事業をあげた

 「大手化学メーカーが世界的な再編を通じて農薬の規模を追求する中で、競争力を高めたい。これまでは、農業資材で全米2位の子会社ヘレナ・ケミカルや英農業資材子会社、米穀物集荷子会社の肥料事業など本社の管轄がばらばらだったが、これを昨年10月に農業化学品本部へと再編した。主戦場の米国事業を拡大する。買収した米穀物集荷ガビロンは、効率化の手は打った。米国の成長を確保し、全体のトレードの中でブラジルやアルゼンチンなど南米も含め考えたい」

 --強みの電力事業は

 「海外電力資産の積み上げよりも、この電力資産をどう活用するかだ。世界的に余剰の天然ガスを自社の発電所向けの燃料に持っていけるかを検討し、IoT(モノのインターネット)活用による稼働率向上や需給調整機能などサービスにも力を入れる」

 --他の重点分野は

 「トランプ次期大統領が米国の競争力を高める中で政策を見極めつつ、米国投資は増やしたい。アジアの中間層向けリテール強化では、提携合意したインドネシア複合企業CTコープと具体的な事業を議論している。二輪車向け金融に加え、パートナーとも組み、電子商取引や不動産、物流事業などへと広げたい」

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【プロフィル】国分文也

 こくぶ・ふみや 慶大経卒。1975年丸紅入社。執行役員エネルギー部門長、常務、専務、副社長などを経て、2013年4月から現職。東京都出身。