横河レンタ・リース、運用・管理に特化のクラウド提供

 
金川社長は新サービスについて「パソコンを所有するという文化を変えるツールとなる」と語る

 ■「パソコンの所有文化変えたい」

 横河レンタ・リースは、パソコンの運用・管理に特化した企業向けのクラウドサービス「シンプリットマネージャー」を開発、運用を開始した。調達や導入、リプレースといったパソコンのライフサイクルを管理する専用ポータルサイトをクラウド上で提供。システム管理者が携わってきた運用管理業務を、アウトソーシングできるようになった。

 個人間で余剰なモノのやり取りを行う「シェアリングエコノミー」という概念の広がりに注目が集まっているが、日本はまだまだ「所有文化」が根強い。事実、日本企業のパソコンの所有率は9割に達するという。金川裕一社長は「レンタルの比率は1割に過ぎない。今回のサービスを機にパソコンの所有文化を変えていきたい」と話す。

 パソコンを所有した場合、「リプレースのタイミングが定まらずに運用・管理が煩雑化し、古い機器を活用し続けることでセキュリティー対策も増大してしまう」(金川社長)といった問題が生じる。また、新たな機種に入れ替え、古い機種を廃棄する際には、古いパソコン上のデータを安全かつ確実に消去する作業が不可欠となる。

 これに対しレンタルサービスであれば、短いサイクルで最新機器に切り替えることが可能。レンタル解約後は返却するだけでよく、データ消去の手間や廃棄コストも不要だ。

 新サービスは、こうした現状を踏まえて開発した。具体的には機器の申請から手配までをワンストップで管理する申請手配や、機器の所在や利用者の情報を確認できる棚卸しなど各種機能を提供。専用ポータルサイトを通じて、利用者や機器の所在、リース契約の内容などの情報が一元管理される。

 このほか運用・管理業務を見える化したり、新しいパソコンへデータを移行したりできるリプレース支援機能も備える。

 これによってパソコンの運用効率が大幅に向上し、結果として企業は情報システムを定型作業から解放。攻めのIT戦略を具現化する上で重要な役割を果たす人材を確保できるようになり、競争力強化につながる。

 同社は、今月で設立30周年を迎える。金川社長は「IoT(モノのインターネット)時代に本格突入する2017年は、当社にとってさらなる追い風となりチャンスの年」ととらえている。

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【会社概要】横河レンタ・リース

 ▽新宿本社=東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト

 ▽設立=1987年1月

 ▽資本金=5億2800万円

 ▽従業員=729人(2016年4月)

 ▽事業内容=IT機器、計測器のレンタル