遊技産業の視点 Weekly View

 □ワールド・ワイズ・ジャパン代表 LOGOSプロジェクト主幹・濱口理佳

 ■社会目線で考え“自律”した産業目指す年

 新年を迎えた。さて今年こそ、近視眼に捉われずに足元を見直し、自律できる業界への礎を築く1年にしなければならない。自分たちの「当たり前」が、業界の外ではどのように受け止められているのか、果たして業界外でも妥当と認識されるのか。風営法のもとで厳しく規制され、これに従うことをよしとしてきた「他律」から脱却し、社会で必要とされる産業像の構築に向け、フラットな視点で業界の現状を把握・改善する姿勢が肝要だ。

 それができなければ、遊技業界は民衆の怒りや不満を解消するためにささげられる「贖罪(しょくざい)の山羊」よろしく、他者の都合に振り回され、市場の大幅な縮小を招くことにもなりかねない。“自律”は遊技業界が今日を生き抜き、未来を開くための唯一の選択肢である。

 自分たちの業が、順法営業を前提に何を改善し、広く社会の理解を得ていくのか。産業として市場を萎縮させずに存続・成長させていくために必要な売り上げ・利益やファン数を具体的に見定め、これ以上の規制は産業維持にダメージとなるエッジの回避に「もの言える」土壌も築かなければならない。

 ギャンブル依存症での突き上げにせよ、リカバリーサポートネットワークへの業界を挙げた支援や、のめり込みに対する研究への取り組みなど、これまでの地に足の着いた活動を正確に広報する必要がある。また、風営法下で娯楽として規制を受けている現状で、今般の遊技機市場シフト(のめり込み抑制に向けた規制強化)により、さらに売り上げが下がることも予想されるなか、追加で出費が必要となれば、業界・企業単位で精力的に取り組まれてきた社会貢献事業へのマイナス影響も懸念される。個人的に誤解を恐れずにいえば、ギャンブルとして依存対策の費用を要求されるなら、ギャンブルとして風営法の規制から外し、負担金額を捻出できる営業環境を実現させるのが妥当ではないか。

 ともあれ「変わること」を余儀なくされる2017年。どうせ変わるなら、社会という視座に立ち、産業としての骨格を強固にする1年であってほしい。

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【プロフィル】濱口理佳

 はまぐち・りか 関西大学大学院文学研究科哲学専修博士課程前期課程修了。学生時代に朝日新聞でコラムニストデビュー。「インテリジェンスの提供」をコアにワールド・ワイズ・ジャパンを設立。2011年、有志と“LOGOSプロジェクト”を立ち上げた。