ITと融合、不動産投資をより身近に ロードスターキャピタル・岩野達志社長

 

 不動産特化型クラウドファンディングサービス「OwnersBook(オーナーズブック)」が、感度の高い個人投資家の間で、手軽な不動産投資手法として広がりを見せている。「オーナーズブック」を手掛け、ITと不動産の融合を掲げるロードスターキャピタルの岩野達志社長は、不動産投資を個人にもっと開放し、不動産市場を活性化したいと意欲を示す。

 --「オーナーズブック」が、主に個人投資家に注目されている

 「不動産投資に関心を持つ個人は多いが、関連金融商品は国内では選択肢が少ない。オーナーズブックはその選択肢を広げられる。2014年9月に始めて以降、個人からの問い合わせは増え続けている」

 --サービスの特徴は

 「個人から集めた資金を不動産担保ローンとして事業者に貸し付ける。個人投資家は、われわれが選んだオフィスビルなどを組み合わせて組成したファンドの中から好きな案件を選び、一口1万円から投資できる」

 --融資先は

 「従来の金融機関からは融資を受けにくい新興・中小不動産事業者などが中心で、一般的なシニアローンに劣後する二番抵当『メザニンローン』に該当する。シニアローンに比較するとリスクは高いが、そのかわり利回りも高い。年換算5%程度が見込める物件を選んでいる。リスク管理の観点から、担保不動産を売却した場合にも投資資金の回収を図りやすい案件を中心に貸し付けを実行している」

 --交流の場もある

 「好きな案件を選んだ投資家同士で交流を図れるよう、オーナーズブック内に専用のSNS(会員制交流サイト)を提供している。今後はこれをさらに盛り上げたい。もともとは好きな本を友人と共有する感覚で不動産投資を身近に感じてほしいという思いでこの事業を始め、オーナーズブックという名前にした経緯もある」

 --クラウドファンディングの仕組みを使う意味は

 「クラウドファンディングのようなITは、不動産と相性がいい。大手が手掛けそうな大規模プロジェクトも、ITを使えば個人が束になり大手に匹敵する資金規模で関わることが可能だ。中にはクラウドファンディングで資金調達するより、銀行から調達したほうが早いのではないかといわれることがある。でもそれを続けることによって世界は変わっていくと考えている。目指しているのは、個人に不動産投資を開放するインフラづくりだ」

 --AI(人工知能)を使った不動産の価値査定の仕組みも動かし始めた

 「AI-Checker(チェッカー)というシステムだ。最寄り駅がどこか、そこからの距離はどれぐらいか、などの物件情報を入力すると自動査定する。社内で使ったところ、査定結果は専門家の見方と8割方、一致した。今後さらに精度を高め、いずれは公開したい」

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【プロフィル】岩野達志

 いわの・たつし 東大農卒。日本不動産研究所、ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン、ロックポイントマネジメント・ジャパンを経て、2012年ロードスターキャピタルを設立し、現職。不動産鑑定士。43歳。兵庫県出身。

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【会社概要】ロードスターキャピタル

 ▽本社=東京都中央区銀座2-6-16 ゼニア銀座ビル6階

 ▽設立=2014年3月14日

 ▽資本金=10億8910万円

 ▽従業員=28人

 ▽事業内容=不動産投資、クラウドファンディング、仲介・コンサルティング、アセットマネジメント