東芝に銀行ファンド出資案浮上 半導体事業 分社化を支援

 

 米原発建設で最大7000億円の損失が見込まれる東芝の半導体事業に、取引銀行などが設立したファンドが出資する案が出ていることが24日、分かった。東芝は外部からの出資受け入れに向け、27日にも取締役会を開いて半導体の分社化に向けた手続きを進める。

 また東芝は24日、損失額を2月14日に公表することを発表した。月内に損失額を確定するよう進めていたが、作業量が膨大で時間がかかっているため予定より遅れた。2016年4~12月期決算も同時に開示する。

 関係者によると、出資を巡っては、三井住友銀行と日本政策投資銀行が設立した「UDSメザニンファンド」やみずほ銀行と政投銀による「ブルーパートナーズ・ファンド」の活用が検討されている。

 東芝は半導体の主力製品「フラッシュメモリー」事業を分社化して資金を募り、将来は上場する計画もある。外資系のファンドやキヤノンなどが入札に前向きだが、事業への関与が薄まることに懸念も出ている。

 銀行系のファンドはさまざまな出資者から分散して資金を集める。東芝を支援する色合いが強いため、経営への関与度は高くはならないとみられる。

 東芝は決算期末の3月末に債務超過に陥ると、東京証券取引所の第1部から2部に降格となる。分社化は株主総会で決議する必要があり、3月に臨時で開催する準備を進めているもようだ。