ドコモ4~12月期は増収増益 新料金で格安スマホに対抗

 
2016年4~12月期決算を発表するNTTドコモの吉沢和弘社長=27日午後、東京都千代田区

 NTTドコモは27日、従来型携帯電話(ガラケー)からスマートフォンへ乗り換える60歳以上向けの割引プランと、個人契約向けの小容量プランを新設すると正式発表した。同日開示した2016年4~12月期連結決算は増収増益と業績は堅調だが、格安スマホを提供する事業者などとの競争は激しくなっている。多様な料金プランで顧客満足度を高め、優位性を維持したい考えだ。

 ガラケー利用者がスマホに乗り換える際の割引は以前からあったが、「5分以内のかけ放題」では割引額が縮小される。新たに60歳以上に限り、このプランを選んでも2年間は毎月、基本料金を1520円割り引く。

 また個人向け低容量プランは、組み合わせて使えなかった「小容量(2ギガバイト)のデータ通信」と「5分以内のかけ放題」を同時に利用できるようにする。ドコモを15年以上契約している利用者向けの割引を合わせると月額料金は4900円。受け付けはいずれも1月30日からで、シニア向けは5月末まで。

 小容量プランについて吉沢和弘社長は「格安スマホへの対抗策の一つだ」と話した。割引などによる顧客への還元額は、16年度で800億円規模になるという。

 また16年4~12月期連結決算は、売上高に相当する営業収益が前年同期比2.5%増の3兆4695億円、営業利益が22.9%増の8423億円、最終利益は19.7%増の5894億円だった。通信サービスの収入増や光回線契約の拡大が利益を押し上げた。