東京のタクシー初乗り410円に値下げ 「もうけが減る」の声が上がるも“見切り発車”

 
タクシーに貼られた初乗り運賃410円の表示=30日午前、東京都内

 東京のタクシー初乗り運賃が30日、730円(2キロ)から410円(1.052キロ)に値下げされた。インバウンド(訪日観光客)やお年寄りの需要喚起などが狙いだ。利用者はおおむね好意的に受けとめているが、運転手からは「もうけが減る」と不安の声が上がる中での“見切り発車”となった。

 新運賃が適用されるのは、東京23区と武蔵野市、三鷹市からなる東京地区。初乗り運賃は380~410円の10円刻みで設定でき、ほとんどが410円にする。初乗り後は280メートルごとに90円だったが、237メートルごとに80円になる。東京ハイヤー・タクシー協会の川鍋一朗会長は27日の会見で「タクシー輸送人員は右肩下がり。新運賃をきっかけに一人でも多くの方に『自分の交通機関』と感じていただきたい」と語った。

 国土交通省の調査では、東京のタクシー会社による2014年度の輸送人員は07年度のほぼ4分の3に減った。危機感を強めた同協会は、海外で興隆する「ライドシェア」(相乗り)の波も意識し、割高感のある初乗り運賃の値下げを含む新運賃制度の導入を提唱。加盟社のタクシー約2700台分の800万回を超えるデータを集めるなど検証を重ねた。新運賃は近距離利用による減収を長距離利用による増収で補い、全体の収入が変わらないように設定されている。