3Dプリンター、医療用モデルの質感追求 JMC・渡邊大知社長
JMCは3Dプリンター出力や鋳造を事業の柱に据え、高付加価値化を図るとともに、サービス業のホスピタリティーを取り入れて顧客満足度を向上させ、高収益を実現した。精密機器、機械、電機など多様な業種の顧客から支持されている。プロボクサー出身の渡邊大知社長は「最先端のものづくりを目指している」と話す。
--なぜボクシングからこの世界に
「高校卒業後、プロボクサーとなったが限界を感じて24歳で引退し、父が運営していた保険代理店に入社した。こだわりのものづくりをしたいと思い、新規事業を考えていたところ、3Dプリンターに注目した。新規性と将来性を感じて1999年に3Dプリンター出力事業を始める。やがてマイペースで保険代理業をしたいという父と、製造業として事業を成長させたいという私の間で意見が対立し、父が退社して2004年に社長に就任した。06年には現在の専務が営んでいた鋳造事業を吸収合併した」
--独自の強みと特徴は
「3Dプリンター造形機を24時間365日休まず稼働している。見積もり依頼には原則、営業時間内であれば1時間以内に回答する。大半の注文は当日か翌日には出荷できる。コンビニエンスストアのような便利さで、リピート率は8割超だ。このため経常利益率は十数%で製造業としては高水準だ」
--スポーツ経験はどのように生かされているか
「社員の平均年齢が31.4歳と若く、顧客の方が目上であることが多い。このため礼儀や身なりについては厳しいかもしれない。男性の場合、髪を染めたり、ひげを生やすことは禁止している。朝礼や終礼もあり、大きい声ではっきりと受け答えすることも徹底している。スポーツは決められたルールの中で勝敗を競うもの。当社も当然のようにコンプライアンス(法令順守)を重視している」
--力を入れている事業は
「3Dプリンターを用いた医療用実体モデル作製だ。とくに心臓モデルは実際にポンプで拍動するので本物に近い動きをする。医科大学や医療機器メーカーに納められ、カテーテル治療のトレーニングに使われる。他の臓器モデルや骨格も作製し、医療業界の多岐にわたるニーズに応え、形状、質感、機能を徹底して追求している」
--昨年11月に東証マザーズに上場した
「認知度を高めることに加え、人材確保と受注増への効果を期待した。上場するには基準を満たす必要がある。おのずとコンプライアンス体制が強化されるため、成長へのステップとなる。実際に上場以降、応募者が増えている。調達資金は2~3年かけて鋳造工場の新設や、新型3Dプリンター造形機の購入にあて、生産能力を増強する。現在、一部参入している航空宇宙、自動車レースのF1といった付加価値の高い分野にも力を入れたい」
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【プロフィル】渡邊大知
わたなべ・だいち 山梨県立甲府第一高卒。プロボクサー。引退後の1999年JMCに入社。2004年12月から現職。42歳。山梨県出身。
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【会社概要】JMC
▽本社=横浜市港北区新横浜2-5-5 住友不動産新横浜ビル1階
▽設立=1992年12月
▽資本金=7億5759万円
▽従業員=78人 (2016年9月末時点)
▽売上高=13億2717万円 (15年12月期)
▽事業内容=3Dプリンター出力、鋳造、検査受託
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