トヨタ、技術標準化へ「連合」 スズキ、強力な「後ろ盾」で開発テコ入れ
業務提携の検討にアクセルを踏んだトヨタ自動車とスズキ。トヨタはスズキをグループの陣営に取り込み、次世代技術の標準化に向けた仲間作りを加速する。一方、先進分野で出遅れているスズキはトヨタという後ろ盾を得て、開発のテコ入れを図る狙いだ。
「多方面の技術提携に取り組むトヨタとして、内外の仲間作り、ルールづくりが従来以上に必要となる」
トヨタの早川茂専務役員は6日の決算会見で、スズキと提携に向けた協議を進める意義をこう強調した。
というのも、年間1兆円以上を研究開発投資に費やすトヨタですら、自動運転や環境対応車など次世代技術すべてを全方位的で賄うのは困難なためだ。ノウハウを補完する形での提携や連携などを通じて「トヨタ連合」を形成し、協力して技術の標準化につなげることが将来の勝ち残りには不可欠な条件とみているわけだ。
実際、1月にはインターネットに接続してさまざまなサービスを提供する「つながる車」の標準化を目指す事業体を米フォード・モーターと設立した。環境対応車では、将来の本命と位置付ける燃料電池車の技術開発で独BMWと協力。電気自動車でも、提携するマツダと共同開発を進める。
これに対し、スズキは、提携でトヨタ連合に加わることにより次世代技術の開発の流れに取り残されないようにする思惑がある。スズキの2017年3月期の研究開発費は1400億円でトヨタの8分の1に過ぎず、開発人員も少ない。次世代技術への対応を進めるには強力なパートナーが不可欠となっていた。スズキの原山保人副会長は6日の会見で、「トヨタが進める(技術の)オープン化に一緒に取り組むことが重要だ」と述べ、トヨタとの提携の進捗(しんちょく)に期待を示した。
◇
■トヨタとスズキの関係
・創業家の豊田家と鈴木家の発祥がともに遠州(現在の静岡県西部)
・1950年、前年の労働争議で資金繰りに窮したスズキをトヨタが資金援助
・75年、エンジンの排ガス規制をクリアできなかったスズキにトヨタがエンジン供給
・2016年10月12日、提携に向けた検討開始
・17年2月6日、業務提携に向けた検討を始める覚書を締結し、提携の推進体制発足
関連記事