イーデザイン 動画名刺で強く印象付け、営業に威力発揮

栃木発 輝く
動画名刺の動画をスマートフォンで見るユーザー

 名刺を交換しても、後になると、どんな人だったか思い出せない。商談会のように多くの人とあいさつする機会があれば、全員を覚えているのは難しい。多くの人に自分のビジネス、商品をPRしたい人にとっても相手に覚えてもらうことが重要だが、そう簡単ではないから、みんな悩む。

 栃木県内で動画名刺のサービスを始めたイーデザイン(宇都宮市)の鈴木孝一代表。相手に強い印象を与えることができれば…。最近、注目され始めているのが動画名刺だ。名刺に刷り込まれたQRコードをスマートフォンやタブレット端末にかざすと、動画が見られる仕組みで、これがもう一つの名刺として威力を発揮する。また、自分の仕事を分かりやすく説明するのにも有効だという。

 ◆映像で軽くあいさつ

 世界遺産、日光東照宮(栃木県日光市)や幻想的な地下空間がある大谷資料館(宇都宮市)などでの結婚式でヘアメークを担当する「トータルブライダル&ヘアメイク トゥラスト」(栃木県大田原市)の目黒博子代表は「打ち合わせでも結婚式当日、われわれがどんな仕事をするか分かってもらえるし、実際に動く映像を見ると花嫁さんもわくわくする」と効果を実感している。栃木県那須塩原市でそば店「三たて蕎麦(そば) 誉(ほまれ)」を開店した大桃誉大(たかひろ)氏も既に動画名刺用の映像を撮影。「店をたくさんの人に知ってもらいたい。自分がしゃべる映像で人柄や人となりも出る。活用したい」と導入を決めた。

 鈴木代表は「自分も技術畑。独立後、営業は大変だった。営業が得意でない人の気持ちも分かる」と話し、若い世代を中心にベンチャー企業や起業しようという人の営業の武器として活用してもらいたいという思いから開発。「スマートポーク」と名付け、商標登録を出願中だ。「ポーク」は突く、トントンと軽くたたくことで、「あなたのことを気に掛けている」というイメージを含む。フェイスブックで「あいさつ」を指しており、「おしゃれなあいさつ」という意味を込めた。

 昨秋、宇都宮商工会議所が定期的に開催している新ビジネス合同発表会でも注目された。東京ビッグサイトでも展示の機会があり、評判は上々だった。ただ、「面白いと言ってくれる人は多いが、実際に契約となるとなかなか…。まだまだ、始まったばかりのビジネス」。鈴木代表自身も営業に四苦八苦している。

 ◆電話やメール機能も

 「スマホも6、7割普及している。あえてモバイル系に特化した」。スマホ、タブレット専用の機能とし、パソコンには対応しない。開発経費を抑えるためという。鈴木代表は2015年12月に開発に着手し、動画を配信するホームページ(HP)を自作しようとしたが、翌年夏頃に断念。「外注だと自分の作りたいものを伝えるのが難しいと、自作してみようと思ったが…」。結局、専門業者と1カ月やり取りして、納得のいくHPができた。少し遠回りしたが、昨年10月から動画名刺の登録受け付けを始めた。

 名刺のQRコードから、スマホの動画へ。さらに動画の下のアイコンを押すと、電話がかけられたり、メールを送れたりする機能も付け、ビジネスに直結するツールを用意した。動画は鈴木代表が撮影、編集する。

 宣伝費用をかけられないベンチャー企業や若い世代に活用してもらいたいとの思いがあるが、一方で多くの社員を抱える企業や多くの支店を持つ企業に採用してもらえれば、ビジネスも軌道に乗ると期待をかけている。(水野拓昌)

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 ■会社概要

 ▽本社=宇都宮市瑞穂2-5 瑞穂野SJ12-411

 ▽創業=2015年(17年に会社登記を行う計画。資本金1000万円の予定)

 ▽事業内容=動画名刺の企画、提供。動画の撮影、編集

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 □鈴木孝一・代表

 ■苦戦する若い起業家を応援したい

 --なぜ、動画名刺をやろうと思ったのか

 「20代の頃からビデオを撮るのが好きで、労働組合でも広報活動に活用していた。前に勤めていた会社を42歳で早期退職して映像関係の会社を起こし、結婚式やイベントなどの撮影をしていた。自分で営業もやらないといけないが、技術職だったので自己PRも苦手。訪問しても会ってもらえない。最初の扉が開かない。自分もそんな経験があるから、起業しても営業に苦戦している若い人を応援したいという思いがある。名刺交換で名刺は必ず受け取ってもらえるけど、覚えてもらえない。そこに動画を組み合わせたら相手の心を動かすこともできると考えた」

 --どんな仕組みか

 「使い方は簡単。名刺のQRコードにスマートフォンやタブレット端末をかざすと、インターネットの動画が配信される。動画で自己PR、自社PRをする。プロフィルが書き込め、連動する機能も付けており、電話やメール、地図、ホームページ、写真、フェイスブック、ツイッターにつながる動画の下のボタンはカスタマイズできる」

  --コンテンツの制作は

 「動画はこちらで映像を撮影し、編集する。映像の中に文字を入れ、背景を編集することもできるし、関連動画を差し込むこともできる。動画は短いほど全部見てもらえるのではないか。本当に伝えたい内容で1分前後か30、40秒が理想だろう」

 --今後の展開は

 「始まったばかりのビジネスで、これから広めていきたい。地域活性化のために、ベンチャー企業や起業したい若い人を支援したいと思い、低価格で設定している。打ち合わせから動画撮影、編集を1人でやっている。大手が参入しても、それぞれ分担するから人手もかかり、この価格ではできないのではないか。価格帯を維持し、さらに機能の充実を考えないといけない」

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【プロフィル】鈴木孝一

 すずき・こういち 宇都宮工業高卒。1978年、楽器・音響メーカーに入社し、その後、大手電器メーカーでテレビの製造などに従事。2002年に退職、映像制作会社を設立。15年、新たにイーデザインを創業。57歳。栃木県出身。

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 ≪イチ押し!≫

 ■身近な集客ツール「スマートポーク」

 イーデザインが開発した動画名刺「スマートポーク」。名刺のQRコードから動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップロードされた動画に直結する。

 小さな紙に印刷された社名、名前ではどんな人だったか思い出せない場合もあるが、本人が直接話している動画なら、強い印象が残せる。「名刺は一人一人が持ち歩く身近な集客ツール」で、「動画1分間の情報量は180万語、ウェブの3600ページに匹敵する」ともアピールする。

 動画サイト設置、アップロードとQRコードをすり込んだ名刺100枚で初回登録料9000円、動画の撮影、編集(90分まで)が3万円、サーバー管理料が法人向けが月額250円、個人向けは同100円。サーバー管理料の6カ月間0円キャンペーンを実施中。