抹茶やチョコ味…中には失敗作も? メーカーが“キワモノカップ麺”を出す理由

 
まるか食品の「ペヤングチョコレートやきそばギリ」

 抹茶、チョコレート、ショートケーキ-。これまでにない味のカップ麺が、各メーカーから次々と発売されている。挑戦と言うよりも“冒険”に近い商品ばかり。何十、何百と新しい商品が現れては消える食品業界にあって、奇抜なアイデアで目立ちたい、という思いもあるようだ。だが業界では、やり過ぎて失敗した例も…。(藤谷茂樹)

 「ちゃんとした味」

 日清食品は1月23日、「カップヌードル抹茶 抹茶仕立てのシーフード味」(希望小売価格194円)を発売した。

 日本のめん類が世界的に人気の高いことを背景に、和の味でアレンジ。同時にカップ焼きそば「U・F・O」の梅こぶ茶(同194円)、カップうどん「どん兵衛」のすき焼き(同194円)も発売した。

 中でも異彩を放っているのは、ラーメンと結びつきにくい「抹茶」だ。日清食品から発売前にサンプル品をいただき、さっそく食べてみた。

 茶そばから発想を得たといい、麺はうっすら緑色。スープもほのかに緑色だが、想像していたほどの濃さではなく、ホウレンソウを使ったパスタソースにありそうな彩りだ。

 おそるおそる一口。いつものシーフード味は損なわれてない一方で、クリーミーさが増している。抹茶のほのかな香りで、まろやかにまとまっていた。

 気がつけば完食。担当者が「ちゃんとした味に仕上げている」と胸を張ったことも納得した。

 話題を提供

 こうした変わり種カップ麺は、昨年末から今年1月にかけ相次いで登場している。明星食品(東京)は、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」で昨年12月にショートケーキ味、今年1月にチョコソース(いずれも同194円)を発売した。

 実は、チョコを使った「一平ちゃん」は昨年1月も販売し、フェイスブックやツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)で話題になったことから、今年も第2弾を作ったそうだ。

 さらに、まるか食品(群馬県伊勢崎市)も「ペヤング チョコレートやきそばギリ」(同199円)を1月に発売。担当者は「デザートピザなど温かいスイーツも人気。新しい感覚で楽しんでもらいたい」と話し、バレンタイン商戦をにらんでいる。

 変わり種商品を展開するねらいを、日清食品は「食品はおいしく安心安全が大前提」としたうえで、「SNSなどで話題になった商品を手に入れたときの満足感も意識している」と説明する。

 また、変わり種商品が有名になれば、定番の商品名の露出も増える。昨年、「一平ちゃん」で、かば焼き、わさびマヨネーズ、梅カツオなど挑戦的な味を連発した明星食品は「1~2カ月に1回、期間限定商品を出し、定番ブランドの活性化を目指している」という。

 先駆者でも「難しい」

 食品業界で変わり種商品の先駆けは、赤城乳業(埼玉県深谷市)のアイス「ガリガリ君」だ。

 平成24年の「コーンポタージュ味」が3日で売り切れる大ヒットとなり、続けて「シチュー味」も出した。次への期待が高まるなか、消費者の予想の「斜め上」を目指したのが26年の「ナポリタン味」だった。しかし、不評で3億円の赤字に。軌道修正を迫られた。

 昨年11月に「メロンパン味」を発売したことで「大赤字の禊(みそぎ)が終わった」と同社マーケティング部の担当者は言う。しかし「メロンパン味は消費者から『普通』という評価でした。本当に何が売れるかは分からない」と悩ましげだ。

 「あそびましょ。AKAGI」の企業メッセージを持つ同社は「商品を通じて、引き続き楽しさを提供したい」と“冒険”を続ける姿勢だ。先駆者でも導き出すのが難しいヒットの法則。次はどんな変わり種が出てくるのか注目だ。