米WH社の買収「正しかったとは言いにくい」 綱川社長の進退は「指名報酬委に」

東芝社長会見詳報・下
会見する東芝の(左から)畠沢守常務、平田政善専務、佐藤良二監査委員会委員長、綱川智社長=14日午後、東京都港区(古厩正樹撮影)

 東芝側の説明は約20分で終わり、質疑応答へと移った。主なやり取りは次の通り。

 --なぜ直前まで延期がわからなかったのか。業績の下方修正もあり得るとのことだが、その範囲はどの程度になるのか

 佐藤良二監査委員長「ぎりぎりになった理由だが、内部通報の調査報告書を完了させようと、可能なら間に合わせようと作業していた。ご理解頂きたい。業績見通しだが、基本的には数値を修正する必要があるとは認識していないし、外部監査人からもそうした指摘は受けていない」

 --原子力事業について「戦略的選択肢」を検討するとのことだが

 綱川智社長「収益性の高い燃料・サービスと機器について、興味を持って頂けるパートナーがいれば、現在80数%の出資比率を下げることも考えていく」

 --半導体はマジョリティにこだわらないとのことだが、判断の経緯は。今後はどんな成長戦略を描くのか

 「おかげ様でいろいろなオファーを頂いている中で、一番価値が高い、また今後の投資に向けて最適なパートナーと組む(ことが最優先)ということで、特にマジョリティにはこだわらないとの意味だ」

 --米ウェスチングハウス(WH)への出資比率も50%以下で構わないと

 「決めたことではないが、可能性はある」

 --東芝の今後の成長戦略はどうなるのか

 「やはり社会インフラ。また半導体は、NAND型フラッシュメモリ以外のディスクリート半導体などは当社本体でしっかり取り組み、海外原子力事業に関しても見直しを行った上でしっかり進めていく」

 --今回の決算開示延期の契機となった「内部統制の不備を示唆する内部通報」とは、具体的に

 佐藤委員長「現在調査中なので、申し訳ないがコメントを控えたい」

 --前回の粉飾決算が起きて、改善に取り組む中でこうした事態が起きたわけだが

 「大変申し訳なく思うが、引き続き改善を続けていく中で残念ながら起きてしまった。大変残念ながら改善を続けていくしかない」

 --綱川社長は経営責任をどう受け止めているのか

 綱川社長「特に、決算を遅らせたことに重い責任を感じている。進退については指名報酬委員会に委ねている」

 --半導体は100%売却もあり得るのか

 綱川社長「すべての可能性があり得る」

 --海外で建設中の原発だが、それぞれ何年遅れているのか

 「米国でのプロジェクトは、昨年度のCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)買収の際に3年ほど見直しを行った。中国のプロジェクトも同じ程度だ。コスト超過についてだが、米国のプロジェクトは契約内容上、顧客に負担をお願いするのは難しい。しかし将来的に追加となった場合は、お願いできる余地があればお願いしたい。一方、中国では大きなコスト超過があるとは認識していない」

 --同程度に遅れている中国で大きなコスト超過がないというのは、建設担当企業が負担すると言うことか

 「WHと顧客との関係なので、コメントを控えたい」

 --メーンバンクの対応は

 平田政善専務「今回の件を受けて考慮されるだろう。引き続きご支援をお願いして参るが、明日集まって頂き、詳細にご説明申し上げる」

 --東芝は今後、どんな会社になるのか

 綱川社長「大きな柱は変わらない。社会インフラ事業と、建設を除く海外原子力事業、それにメモリ事業…NANDはどうなるかわからないが…。この中で社会インフラの比重が大きくなるだろう。当社の技術を使って社会に貢献するため、量も質も増やしていきたい」

 --今ふり返って、WH買収は正しい判断だったのか

 「数字を見ると正しいとは言いにくい数字だと思います」

 --パナはプラズマから撤退した。東芝は原子力にこだわり続けるのか?

 「海外原子力に関しても、パートナーを見つけて持ち分率を下げる方向で検討しているが、現時点で具体的なことを言える状況ではない」

 --メモリ事業はマジョリティ譲渡もあり得るとのことだが、具体的にそうしたオファーがあるのか

 「いろいろなオファーがある」