東芝、資金確保を優先 半導体売却、主導権こだわらず
東芝本社が入る浜松町ビルディング=港区芝浦(斎藤浩一撮影)
東芝は3月末に分社する半導体事業の株式売却で、1兆円以上の資金調達を計画する。債務超過の財務状況を抜本的に改善し、信用不安を打ち消す狙いだ。利益の大半をたたき出す“虎の子”事業で主導権を維持できなくなる公算が大きいが、資金確保を優先せざるを得ない状況に追い込まれた。
分社する半導体新会社の価値は1兆5千億円と試算され、1兆円以上の資金を調達するには3分の2以上の株式を売却しなければならない。複数社に分散して売却する案もあるが、それでも経営の主導権を手放すことになりそうだ。
「東芝を信用不安から救うには、主導権にこだわっていられない」と幹部は語る。東芝は米国の原子力発電事業で巨額損失を計上し、昨年12月末時点で債務超過。東京証券取引所に指定された「特設注意市場銘柄」解除のめども立たず、市場から資金調達もできない。金融機関に支援を仰ごうにも信用がない状況で、最大限の自助努力を示す必要があった。
東芝は、24日にも新会社売却の再入札手続きを始める。「腰を据えてできるだけ大きい金額を狙う」(東芝幹部)方針で、すべての株式を売る可能性もある。当初の入札に名乗りを上げた同業大手や欧米の投資ファンド以外にも関心を示す企業は増えており、米アップルやマイクロソフトなども取り沙汰される。東芝は「少額のところにはご遠慮いただく」と強い姿勢で交渉に臨む。(万福博之)
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