「プレ金」きょう初日 定着するか、セールや限定メニュー…客呼び込み知恵絞る
月末の金曜日午後3時の早帰りを促し、消費を喚起する「プレミアムフライデー(プレ金)」が24日、スタートする。外食や小売り各社はプレ金に合わせ、セールや限定メニューを企画するほか、午後3時に開店を前倒しするなどで、早帰りの客を呼び込む考えだ。プレ金が広まれば、低迷が続く個人消費を押し上げる効果も期待できる。
サントリーホールディングス(HD)は全国1100の飲食店で、生ビール「ザ・プレミアム・モルツ」を1杯無料で提供する。節約志向を背景に“家飲み”が増えるビール業界だが、キャンペーンで需要を掘り起こす狙いだ。
限定商品を企画する外食店も多い。回転すしチェーン「あきんどスシロー」は全国の店舗で、マグロのカマの丸揚げと生ビールのセットメニューを626円(税込み)で限定販売。牛丼店「吉野家」は、牛丼と豚丼の具材を半分ずつ乗せた「牛豚 半丼」(同450円)を限定販売する。
開店時間を前倒しするのは串カツ店の「串カツ田中」。普段は多くの店が午後5時のオープンだが、24日はプレ金に合わせ、午後3時に開店する。
小売業界も、プレ金への対応を進める。高島屋日本橋店(東京都中央区)は、地下1階の食料品フロアで毎日午後5時、焼きたてパンや増量した総菜などを提供するキャンペーンを実施しているが、プレ金の期間中は午後3時に早める。「早く帰宅する女性会社員などをターゲットにしたい」(幹部)という。
一方、サラリーマンの街「新橋」でもセールが行われる。スーツ店「洋服の青山 新橋烏森口店」は、24日午後4~8時限定で、メンズアイテムを全て半額とする。
SMBC日興証券は、プレ金による今年1年間の消費押し上げ効果を、最大で635億円と試算する。同証券の宮前耕也シニアエコノミストは、早帰りできる人が限られるなどマイナス要因はあるとしながらも「今後、制度が定着すれば(消費への)効果が少しずつ出てくる」と分析している。
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