地銀再編に弾み 次は中京、千葉興銀か…地域を越えた争奪戦に発展も

 
会見終了後、手を合わせる(左から)近畿大阪銀行の中前公志社長、関西アーバン銀行の橋本和正頭取、みなと銀行の服部博明頭取=3日、大阪市中央区

 メガバンクが出資する地方銀行を中心に再編が進みそうだ。海外業務に注力するメガバンクにとって、収益性が低い地銀との関係を維持する意味合いが薄れてきたほか、国際金融規制への対応も迫られている。系列を越えた関西3地銀の経営統合を契機に、再編に弾みがつきそうだ。

 「国際金融規制の強化は決断に影響したのは確か」

 3日の会見で、三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の国部毅三井住友銀行頭取はこう述べた。

 2008年のリーマン・ショックを契機に、各国の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)やバーゼル銀行監督委員会などが、金融危機を防ぐため国際展開する巨大金融機関に一定の自己資本確保などを求める規制を強化した。10年には新たな自己資本規制「バーゼル3」に合意し、段階的に導入が進む。

 現在、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友FG、みずほフィナンシャルグループの3メガバンクが国際金融規制への対応を迫られている。三井住友FGは融資や保有株式など損失の出る可能性がある「リスク資産」の圧縮につなげることを狙いに、今回の再編を主導したとみられる。

 一方、3メガともに地銀との関係を維持する必要性も薄れてきている。

 メガバンクなど都市銀行はかつて、手薄な地方の営業を補ってもらうなど営業上の関係を築くために地銀の株式を取得した経緯がある。

 しかし、人口減少やマイナス金利の導入で、利ざやの縮小が続くなど地銀を取り巻く経営環境は厳しさが増している。地銀株を保有し続ける中長期的な経済合理性を株主に対して説明しづらく、「メガバンクが地銀株を持つ意味合いは薄れている」(金融庁幹部)。

 こうした中、次の再編に注目が集まっている。三菱UFJが中京銀行(名古屋市)、みずほは千葉興業銀行(千葉市)をそれぞれ2桁の出資会社として残している。

 地元にそれぞれ大企業が多い2行の株式売却は、隣接県のみならず、地域を越えた争奪戦に発展する可能性が高い。

 ■3メガバンクが出資する主な地銀

 (銀行名(本店所在地)/出資比率)

 ≪三菱東京UFJ銀行≫

  中京銀行(愛知県)/39.2%

  愛知銀行(愛知県)/6.8%

  十六銀行(岐阜県)/4.5%

  百五銀行(三重県)/3.9%

  八十二銀行(長野県)/3.9%

 ≪三井住友銀行≫

  関西アーバン銀行(大阪府)/48.9%

  みなと銀行(兵庫県)/44.9%

  三重銀行(三重県)/5.7%

  名古屋銀行(愛知県)/5.0%

  群馬銀行(群馬県)/2.5%

 ≪みずほ銀行≫

  千葉興業銀行(千葉県)/15.4%

  豊和銀行(大分県)/4.1%

  大垣共立銀行(岐阜県)/4.1%

  名古屋銀行(愛知県)/4.1%

  南日本銀行(鹿児島県)/3.9%

 ※2016年9月末時点