春闘 電機大手、ベアなお距離 減益傾向、妥結水準前年割れも
今春闘の労使交渉の状況について説明する電機連合の野中孝泰中央執行委員長(中央)=6日、東京都港区
電機大手の2017年春闘の労使交渉が難航している。各社の労働組合でつくる電機連合は昨年と同水準の月額3000円以上のベースアップ(ベア)を統一要求に掲げるが、経営側は、過去3年連続のベア実施によるコスト負担増や業績見通しの不透明感を理由に慎重な姿勢を崩さない。妥結水準は前年実績(1500円)を下回る可能性があり、15日の一斉回答に向け、1000円を軸とした激しい攻防が繰り広げられそうだ。
6日開かれた電機連合の会議では、経営側との交渉状況について傘下の労組幹部から「労使間の距離はまだまだ遠い」「経営側の厳しい姿勢を崩せず、賃金水準の感触がつかめていない」(パナソニック)などの報告が行われた。
電機大手は14年に2000円、15年に3000円、昨年は1500円のベアを実施した。しかし各社の業績は円高や海外市場の減速などで減益傾向が続いており、電機連合の野中孝泰中央執行委員長は「労使で考え方に隔たりがある」との認識を示した。日立製作所は3年連続のベア実施で、グループ全体で人件費が180億円も増えたという。米トランプ政権の誕生や英国の欧州連合(EU)離脱決定などで世界経済の不透明感が広がっていることも、経営側の大きな悩みの種だ。
電機大手の春闘は組合の要求や経営側からの回答額をそろえる「統一闘争」が恒例だが、今春闘は昨年に続き、経営再建中の東芝とシャープの労組が離脱し、現状は昨年よりも厳しい。
だが、野中委員長は「着実に生活水準が改善していることを肌で感じることが内需を換起する」と主張。「いかに厳しい環境にあっても労使の社会的責任と役割を果たし、魅力ある電機産業を築いていかなければならない」と述べ、ベアにこだわる姿勢を改めて強調した。
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